第3話
「いい加減にしなさい」
と会場に凛とした声が響き渡る。
王妃様の発した声に思わずレオンと国王陛下も口を閉ざした。
「醜い争いはやめてくださいません? 王家の恥ですわ」
「たかが王妃の分際で出しゃばるな」
「父上に愛されていないくせに偉そうだぞ!!」
二人からの罵詈雑言にも表情を崩すことなく、スッと二人を見ている。
王妃の姿を見ていると、二人の小物感が引き立ちますわね。
「これ以上あなた方に王国を任せるわけにはいきませんわ」
と王妃の言葉と共に会場内に騎士団が入ってくる。
彼らを率いているのはこの国の宰相を務める王妃のお父様である公爵様。
「国王陛下。並びにレオン王太子殿下。二人には国庫の横領の容疑がかかっております」
と宰相閣下の宣言と同時に騎士団が二人を拘束していく。
「貴様ら! 何のつもりだ!」
「離せ! 俺を誰だと思ってる!!」
抵抗むなしく二人は拘束され身動きが取れなくなっている。
「王妃のくせに生意気な真似しおって……」
国王陛下の罵倒も王妃陛下は涼しい顔で受け流している。
「貴方程度いつでも切ることはできましたけど、レオンが王太子に相応しいか見極める必要がありましたからね」
と王妃様に見られたレオンは嫌悪感を隠さずに王妃様を睨み返す。
「この俺が王にならなかったらこの国は終わりだぞ!!」
それはない。
相変わらずどこからその自信に満ちた発言が出てくるのか、本当に謎だわ……
「まあ。見極める必要なかったかもしれないけど……」
仰るとおりね。
「今この場を持って、国王陛下は退位。レオン王太子殿下はその身分および王位継承権をはく奪し平民とする」
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