5年近く無視した生徒は、高校生になって地獄に落ちていきました

のんびり

無視されるところから、亜美がいなくなるまで

第1話 過去に集団無視のいじめを受けた

 俺の名前は橘文雄。過去にいじめを受けていた経歴を持つ。


 いじめの動機はいたってくだらないもの。クラスで一番だったことに対する、クラスメイトの妬みだ。人間らしいといえば人間らしいかもしれない。


 俺は小学校四年生から、誰にも口をきいてもらえなかった。全員で無視をすることで、一人の人間を徹底的に追い込もうとしていた。


 最初はきついと思ったけど、徐々に何にも感じなくなった。一人にされることによって、計り知れないメリットを感じるようになったから。クラスメイトに縛られないことで、学校生活は有意義なものとなった。


 小学六年生の恒例行事の修学旅行は当然のように欠席。俺を無視するような人間と、一晩を過ごすのは絶対にありえない。


 中学生になっても、無視のいじめは続いた。こいつとだけは絶対に口をきかないという、断固たる意志を感じた。


 無視が終わったのは、中学三年生の春である。俺は五年にわたって、誰からも相手されなかった。


 声をかけられたときに感じたのは、うざいという感情だけだった。これまで無視していたくせに、よくそんなことができるなと思った。


 俺は当然のように無視をする。これまでやってきたのだから、これくらいのことは当然といえる。これで文句をいうやつがいたら、そいつの脳みそは完全に腐りきっていることになる。


 



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