第3話 土管のある公園

 下に線路が通る大きな太鼓橋を、5人はえっちらおっちら渡る。


 中学生や高学年の男子なら走り登る坂も、私や小二の妹には激坂だ。


 一番年下のリンちゃんに合わせて、私とミコト姉ちゃんはゆっくり歩く。

 妹の面倒は私が見なければと、妹の手を取り私は黙々と足を進めた。


 私が手引いても『つかれた~』とこぼす妹も、中二のミコト姉ちゃんに手を引かれれば『わたし、がんばる!』など言い、途端にいい子になるのだから不思議だ。


 登りは急な坂であったが、降りはすいすいの下り坂。

 転げるようにその坂を下ると、右手に土管公園が見えてきた。


 家の屋根に届きそうなほど大きなジャングルジム。それは、青い支柱を中心に、くさりを編んだ円筒をしていてひときわ目に付く。


 その隣には、コンクリートを白く塗った土管状のトンネル。


 二つの黄色いブランコもある。


 さほど大きな公園ではなかったが、幸いにも他に遊ぶ人影はなく、私たちだけの公園のように思え、坂道を上り下りした道すがらのつかれも忘れみんなで走り回った。

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