第9話 事実って何だろう

今回の業務原因での鬱悪化について、会社から「事実として確認できない」の見解が来た。

会社の立場として、認めたがらないだろうとは思っていた。弁護士さんともそう話していた。


けれど、実際に回答を見ると、予想していた以上に死にたくなった。

あの時、誰に何を伝えていたら、どう行動していたら、「事実」と認めてくれたのだろう。どうしていたって認めようとはしなかっただろうと弁護士さんには言われたけれど、どうしたら認めてくれたのかという感情が止まらない。


不思議なことに、今日は死にたいではなく、今すぐ誰か殺してくれたらいいのにと思う。

希死念慮にもパターンがあるのかな。


週明けの月曜日、心療内科の予約が入っている。お医者さんに休職延長の診断書を貰わないといけない。

明日明後日を早送りしてしまえたらいいのに。

何もしたくないのに、何もしないで現実の中にいることに耐えられない。


事実じゃないの?

じゃあ、あれは何だったんだろう。


本当に、事実じゃなかったらよかったのに。

そしたら私今でも、前のように働けていたのにな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る