第二章 神様『世界を創る物語』

第12話 さぁ、世界を創りましょう♪

 さぁ!世界を作ろう♪

 今はまだ真っ白な世界。そこには何も無い。

 上も下も右も左も何にも無い♪

 自由そのものだ。


 某有名アニメではここで線を引いて地面を作り自由が一つ減ったと言った。

 そんなものも無い世界にもできる。


 でも私もこの世界を楽しみたい。


 必然的に私が知っている現実世界に引っ張られてしまう。

 そもそも私は現実世界で幸せになる事を望んでいた。


 このくくりから果たして飛び出すべきか否か。

 でもせっかく何でも自由にして良いんだから私に優しい、

 現実とは違う夢の様な世界にしたい。

 綺麗な物が沢山溢れ苦しみも悲しみも無い。

 死というものを無くしたい。

 争いというものを無くしたい。

 誰も悲しまない様にしたい。


 でも何でも自由で私の思い通りの世界ではつまらない。

 予想外な事が起きなければ飽きてしまいそうだ。


 それはサイコロを転がしてすごろくを楽しむ様に・・・。

 だって、駒をスタートからゴールに動かすだけで何が楽しいと言うのだ。


 自分の形はどうしよう。別に人の形にする必要は無い。

 犬でもいい、スライムでもいい、物でも良い、形が無くてもいい。

 

 でも形のない概念だけの世界は疲れそうだ。

 世界を作るのだから形はいる。

 虫やスライムはなんか嫌だ。

 動物もやっぱりやだなぁ。やっぱり人の形になりそうだ。

 恋愛や性的な願望も満たしたい。

 結局、人の私が望む世界は、人の世界なんだろうなぁ。


 どうせなら美人がいい。年齢は若い方がいいな♪

 あれ?そもそも年齢何てものが必要だろうか?


 結局、前の世界で自分が望むものにしか方向が向かない。

 そりゃ私が考えているんだから当然か。


 人は想像出来る物を創造出来る力があると私は思っている。

 そこに足りないのは時間か、技術か、はたまたお金か。


 逆に言えば想像出来る物しか創造出来ないのだ。

 その枠を超えるのは、他人の意見か、はたまた偶然の産物か・・・。


 サイコロでも降って設定を決めようかなぁ?

 そうでもしないと想像の域を脱出出来ない。

 あれ?脱出する必要あるんだっけ?

 かと言って他人の意見なんて聞くのもなぁ・・・。

 そもそも相談する相手もいないし、こんな暇つぶしに付き合わせる気も無い。


 そもそも私がいる世界を作るのか、誰かを覗く世界にするのか?

 自分を中心に作るのか否か。


 やっぱり自分を中心に作ろう!

 そして私は人の形をしていて美人で若い♪

 私に優しい世界で悲しみのない世界。

 綺麗な物で溢れていて、それでいて意外な事が起こる。

 何でも思い通りじゃないけど、私は何でも出来る。


 なんだかやってて少し虚しくなってきた気もするけど 

 大丈夫!まだ慌てる様な時間じゃない。


 人の姿で生活する以上地面はいる。

 まずは地面を作りましょう。


 その中心に私は立っている。

 まるでゲームのキャラクターエディット画面だ。


 最近のゲームだと背景くらいあるもんだけど・・・。


 パラメータはマックスだ。

 パンチ一つで世界を大爆発させる事も出来る。

 いや、作るんだから壊してどうする私。


 んー白い。何も無い。落ち着かない。


 空を作ろう。空は好きだ。綺麗だし♪


 青空がいいかなぁ。でも夜空も好きだ。夕陽も好きだ。

 雨は嫌だ。でも水は好きだ。循環させたいからやっぱり雨はいるかなぁ。

 雨も見た目は綺麗だし。


 何で雨嫌いなんだっけ?濡れるのがやだなぁ。濡れない世界にしよう。

 あと暗い気分になるのが嫌だ。明るい雨にしよう。虹もいいな♪


 空は青空、夕陽、夜そして日の出がありを繰り返す。

 雨も降るけど暗くならない。お天気雨だけ。雲も好きだけど

 雲一つない空も好きだからこれもランダムだ。

 嵐や雷なんかは要らない。暑いのも寒いのも嫌だから無しで♪


 これで時間と言う概念が生まれた。

 繰り返すサイクルがリズムを作り時間を生む。


 時間に追われるのが嫌いだった。でも時間は必要そうだ。


 この世界なら追われる事は無い。私は時間は好きで

 時間に追われる事が、私を追い立てる何かが嫌いだっただけなんだなぁ。


 空が出来た。雲はランダムだから今できる楽しみは雲を眺めるくらいかぁ。


 ・・・暇だなぁ。


 娯楽が足りない。娯楽って何だっけ?

 とりあえず検索!

 コトバンク先生ちょっと難し過ぎます・・・。

 えっと義務の対極?遊び的な?

 悩む・・・あれ、なんかめんどくさい。私は何がしたかったんだっけ?

 

 意味が無いにも程がある。結局悩んで不快になってたら本末転倒だ。


 娯楽を求めたのが間違いだった。

 もっと直接的にいこう!

 楽しい事がしたいのだ♪


 楽しい事っ何だろう?

 ゲームをするにも相手もいないし娯楽物もない。

 何だか順調に現実に近づいてきている気がする。

 このままだと現実世界コピーが出来て、世界はよく出来ていた!


 みたいなオチになってしまいそうだ。

 それはそれで良いんだけどまだまだ遊びたい。


 娯楽を求めたけどよく考えたら既に遊んでいる。

 世界を作ると言う事で・・・。


 暇だと思ったのは雲を見て何もしなかったからだ。


 退屈とは不思議な物だ。

 忙しいといなくなる。でも忙しいと疲れる。休みたくなる。

 娯楽は義務の対極だ。

 忙しいと娯楽が欲しくなる。娯楽が退屈を埋める。

 でもハマると娯楽で休めなくなる。

 気付くと対極であるはずの義務と娯楽が混同する事がある。

 対極にあるはずなのに何故混ざるんだ?

 全くもって謎である。

 ただ退屈ではなくなる。


 休むと退屈になる、そして娯楽を求めて娯楽の中で義務を見つける。

 義務に疲れてまた休みたくなったら今度はまた退屈が襲って来る。


 なんだ。循環してるのか。

 こうなってくると永遠に動き続けるためのシステムの様な気がしてきた。

 何かを行うための永久機関。それが心なのかも知れない。


 欲求が心とするならば、何かを求める事こそが義務を作り

 人を動かし、人を縛り付けるのだろう。


 何かを行うための永久機関を動かし続ける為に・・・。

 世界は本当に良く出来ている。


 とまぁ概念的な話で遊んだ所でそれにもちょっと疲れてきた♪

 もっと直接的な何かでもっと楽に楽しみたい!

 何か物を作ろう!思うがままに。


 何だかマイ○クラフトを彷彿とさせる。

 クリエイティブモードというモードがあって

 何でも無限に設置出来るどこまでも続く広大な平野が広がるモードだ。

 プレイヤーはそこに思い思いの物を作って遊ぶのだ。

 まさに私が今やっている事では無いか。


 でも私、サバイバルモードの方が好きだったんだよねぇ・・・。

 

 あれと一緒ならゲームをやれよって話になっちゃうのでもっと自由に遊びたい。

 と言うかそろそろ会話文を書きたい。

 ひたすら文字列だけではどんな小説も疲れると言うものだ。


 私以外の人を作ろう。私に都合のいい私の為の人を作ろう。

 自分で言っててもヒクぐらい倫理観が狂ったセリフだなぁ・・・。

 

 もはや狂気だ。でもまぁ自分に都合のいい世界を作ろう何て狂気の他の何者でもない。

 狂気の沙汰ほど面白い・・・!ざわざわザワザワ


 だめだ。顎が尖ってしまう。このぐらいにしておこう。


 何にしても人は欲しい。でも自分に都合のいい人ってなんか怖い。

 何でだろう?矛盾していてあり得ないからだ。

 でもこの世界ならあり得てしまう。

 

 まぁいいや♪とりあえず必要なんだから作ろう。

 見た目はどうしよう。やっぱり美人か可愛い人が良いかなぁ。


 結局、美人や可愛い子が愛される気がする。

 かっこいいイケメンと言う手もあるけどR指定が必要になりそうだし・・・。

 後なんか疲れそうだし。

 

 まずはハードルの低そうな妖精の様な可愛い女の子にしよう。

 何故ハードルが低いかと言うと人とは少し離れた存在と言う印象を受けるからかも知れない。

 美人もなんか疲れそうだし可愛いは正義!

 ファンタジーもので妖精が付き物なのは、もしかしたらこんな理由もあるのかもしれない。


 さぁ、実行♪


 目の前がピカーッ!っと光って私に都合の良い妖精が爆誕したのであった。

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