MARS CURRYー火星には高度な文明と美味しい肉があった。

山谷灘尾

第1話 火星の美味しい猛獣

 火星 赤道付近のアマゾニス平原

 緑地地帯


ヤン将軍、こっちへ向かって来ます」

「分かっている、大尉。でっかいやつだな」

「5メートル以上ありますね」

「うむ、こいつはいっぱい、いい肉取れそうだ」


熊鹿ションルはこの頃供給過剰だ。冷凍しておいても無駄になるだけだよ」

「だからこの間、議会で方針出したんでしょ、地球に売るって」

「うむ、でも地球人のヤツらがこれを食うかどうか」


「地球のヤツら、もう飽食で食いもんに飽きて来てる頃ですよ。

 特にあの食にうるせえ日本人」

 

「売り方考えたら売れるさ。東ベンと文化が似ている中国にも受けそうか」

「熊鹿、美味いですもんね」

「そう、あの背中周りの肉なんざ、炖肉にこみにすれば絶妙だもんな」


「ククク、あの味は西ベンの奴らにはわかんねえだろうな」

「あいつら、何かっていうとバーガーですもんね。或いはBBQにしやがるんだ。なんでも大味でよ、ダディーの手作りのソースがたまんね〜とか、ですよ。

食文化低すぎ」


「あ、将軍、ち、近いっすよ」

「しまった、大尉、オメエ話振るから」

「自分でしょ、夢中になったのは。ああ、近いっすよ」

「よし、誘導ミサイル胸に喰らわせろ」


明白了了解です、GPS ちゃん、うまく行ってね、お願い」


5メートル以上ある三本角の猛獣、熊鹿の胸ににミサイルが突き刺さる。


ドッカーーーン


砂塵が上がり、樹木と共に熊鹿は血飛沫を上げて断末魔の叫びと共に横倒しになった。


「あとは政府屠殺事務所の連中が解体してくれるだろう。異常気象でもうこれ以上熊鹿が増えたら、地球の日本に売るしかねえな。こっちも政府に協力して公募で販売スタッフ募るとするか」


明白了ミンバイラ杨将军ヤンジャンジュン

つづく

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