第8話「しがらみ」

生きてから死ぬまでに

数十年の余裕がある

この時間を刈るか狩られるか

その立ち位置は才能と適用力で

決議される


だが道徳で習った

精神論を後生大事に持っていたが

そうして見えた人の闇から

都合よく逃げるために使っていた


僕は情けない人だ

利用して

盾にして

後ろから見ているだけ


お膳立てするだけで

気のいい言葉で

調子付かせて

おだてて

いつだって甘い蜜をすすった


それでも生きる以上

見えてくるそうした

人の闇に

そうやって甘い言葉をかけて

ゲス笑いして


また生きていく

それが如何に、精魂のない生き方だとしても

それしか

出来なかった


人は初めから

いい人を演じるために

勉強するんだ

そうだと、思う

だから、それで何が悪い

僕は、生きるために

影で蹴落とし

表で笑う


その何が間違っているんだ

いいだろ

いいはずだろ


君だって

そうやって

自分に踏ん切りをつけてるんだろ

だよな

だよね?


じゃあまた会社だ

行くよ、

今日もただ持ち上げて

都合よく立ち回るだけさ


何も、間違っちゃいない・・・はずだ・・・

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