第9話 スカッとしない

一時、YouTubeでよく流れてた「スカッとする話」が最近TIK TOKでもよく見かけます。

たまたま、見ちゃうとネットの邪神様が、こんなのどう?これもいかが、と似たようなものをどんどん紹介してくるので、なんか見てましたが、あんまり、スカッとしない自分に気が付きました。


お話を説明するとだいたいこんな感じです。


いっけん、冴えない主人公を、周りがバカにします。

たとえば、高級レストランにはいった主人公に、従業員がバカにした態度をとったり、婚約者の家に、挨拶にいった主人公が、学歴がなかったり、親の職業を軽く見られて罵倒をうけたり。

ところが、実は、主人公は、そのレストランのオーナーでした! 主人公は日本じゃなくて海外の有名大学をでてベンチャーを立ち上げた敏腕経営者でした、とか。


なかには、おばあちゃんが実は、相手の企業の大株主でした、とか完全に他力本願のオチもあるのですが。


なんだか、よく、流れるのでBGMがわりにきいたのですが、どうも実は~~がしっくりこなくなりました。


実は、レストランのオーナーじゃなくてもちゃんと接客しろよ。

娘がつれてきた婚約者を罵倒するなよ。

おばあちゃんが大株主じゃなかったら、ホテルを勝手にキャンセルされてもいいのか……。


そこでスカッとしろ、言われましても。


わたしは、実は、どこかのオーナーさまでも株主さまでも、ありませんし。

実はすごい仕事できるやつで、それを隠してるわけでもありません。すごいコネもないし。

ということは、たぶん、とっかかりにあるような酷い目に、自分自身があうことは、まあ、現実的には起こり得るかと思います。




全部、泣き寝入りだな。




まあ、実は~~は、水戸黄門やら遠山の金さんでもよくあるバターンなので、否定はしません。

実際に、ぼくが書いてる作品にも、しょっちゅう出てくる光景です。

でも、なんだか、それがあるのであんまり、酷い仕返しはできない。


一応、ヒロインのお姫様なんかは、けっこう酷いやつなのですが、スカッとさせられないまま、気づけば1000話超えてます。


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