第41話

 材料がリッカさんに頼んだ物以外は揃ったので

もう俺には何も出来ないのでカレン、サイネ、ミクロが 3人で作業している。

 屋敷の方が改修、修繕が終わったと連絡が来たので機密保持の為に俺が買った家に行ってもらった。

 学園からそこまで遠くないので安心だろう。


 俺はその間に戦闘職の人達の訓練を手伝っていた。


 その中でも光っていたのがネロという少年だった。

 指針は何と武神と魔法神の2人から半分ずつ育てる様に言われた超有望株だった。


 そもそも平民と貴族の子供の違いは知識量とイメージ力の違いだ。

 貴族の子供は近くに魔法や戦闘に特化した人達が居る為にその力を育てやすい利点があるが

 平民の子供は近くの大人や冒険者やギルドに頼み込み魔法や戦闘技術を学ぶ必要があるのだ。


 ネロや他の戦闘職を目指している子供6人のうち2人の魔法職に俺は魔改造いや、科学改造をしている。


 コレットが3人治癒魔法使いを見ているのだが最近は姿が見えない。


 残りの4人の戦闘職を目指している子は体術、受け身から学んで貰ってる。


「はい!そこ投げられたり飛ばされた時点で受け身から立ち上がる事までイメージして行動!!」


 ハンナの地獄特訓だけどね。

 ハビスに確認したらハンナは暇をしているという事だったので俺は魔法にかかりきりになるので来て貰ったのと女性の下着を開発するのに子供のサイズだけでは不十分なので来て貰った側面もあったりする。


 俺はネロとカマリという女の子に科学のお勉強をしている。


 まずは火の燃焼からスタートなのだが、2人とも首を傾げまくっている。


「じゃあ火を出して」


 2人は頷き手の前に火の玉を浮かべる。

 そして俺も出す。


 2人の火の玉は綺麗な火の玉で丸い玉に火を着けた様な魔法だ。


 2人が俺の火の玉を凝視している。

 俺の火の玉は魔力で包み込み空気を送り込む事で対流させて球体の中は乱回転していて轟轟と火が燃え盛っていた。


 こんな事が出来るのも魔力の不思議である。

 属性無しの魔力で属性有りの魔力を包んでも干渉しない謎があった。


「このグルグル回ってるのはさっき言った空気を送り込んでいるからだよ。

 カマリやネロもやってみて?」


 2人の火の玉は太陽フレアの様に表面から火が飛び出して2人は驚いていたが

 5分程してカマリが俺の火の玉と自分の火の玉を見て違いに気付き成功していた。


 その後はネロに教えて10分後ネロも成功した。

 この間、俺はネロ達を見守ってるだけだ。


 理由はそうした話し合いをして覚えた方が身の為になると思ってるからだ。

 ただ教えて貰っただけの知識は風船に空気を入れただけで他の事をすると空気が抜けてしまう。


 話し合いや実践する事により情報の中身を確認して棚に整理して置いていく様な感覚である。


 その後は全員でハンナの地獄特訓で汗を流す。

 最後はハンナが気の修練方法、俺が魔力操作の方法を教えて解散となる。



 そしてハンナには報告書を書いてもらう。


「ケビン様、今回の報告書です」


「ありがとうハンナが居なかったら時間かかってた」


 ハンナの報告書はとても簡潔にしてる。


 アモウ/剣D/槍C/体術E

 モラ/剣E/槍E/体術B

 ナサラ/剣B/槍E/体術C

 ラルク/剣D/槍D/体術D

 ネロ/剣C/槍C/体術C

 カマリ/剣E/槍E/体術F


 うん、ネロは見事に器用貧乏になってるね。

 まぁ1つ底上げ出来れば有望株になりそうだな。



 そんな訓練を続けて3日経った後に俺とサイネ達商人組はリッカさんの所に来ていた。

 リッカさんのお店に入ると手招きされてカウンターの前に立つ。


「これがご要望の品だよ!確認してねー」


 俺が1つひとつ手に取り大丈夫だと思った後に3人も確認すると頷きOKを出した。


 俺はマジックボックスから鞄を取り出すとカレンが素早く糸と針を取り出し縫い合わせて行く。


「完成~!」


 カレンが二ヘラと笑い下着を上に掲げミクロとサイネが「「おぉ~」」と拍手する。

 リッカさんはそれを不思議そうに見ていた。


「うーん早速試着と言いたい所だけど無理だよね」


 とサイネが言うとリッカさんが

「ん?何か着けるのかい?なら工房に部屋あるから使うかい?ケビンは値段交渉と行こうかい?」


 俺は別にどっちでも良かったので了承して3人は店の奥に入りリッカさんが戻ってくる。


「うーんそれであの商品なんだけど、材料費は少ないけど加工費が結構掛かるね。

 1つ大銅貨1枚でどうだい?」


 うん、安くね?大丈夫か?


「安くないですか?大丈夫ですか?」


「あれ量産するんだろ?」


 俺は頷くと共に1つアドバイスを渡すことにする。


「あれは今作ってる商品の他にも普通に服にも使えるのでそれを周知出来れば多分沢山必要になると思います」


 リッカさんはそれを聞くとニヤリと笑う。


「そう、あれを保証契約したら儲かると思わないかい?」


 あぁ、保証契約が通れば卸値が安くても十分食えるという事か。


「分かりました。保証契約に関してはこの後一緒に行きましょうか?」


 俺は金を払い終えると3人が出てきた。


「凄いです!」


「これが私達の作った商品……」


「何か変な感じするね?」


 ミクロが喜び、カレンが商品に感動し、サイネがツルペタ故の違和感。


 リッカさんは首を傾げてる。


「ん?さっきの布はどこに行ったんだい?」


「あ!あれは胸に着ける下着ですよ?」


「もう1つ無いかな?私も着けてみたい!」


 おっふ!やっぱり新しい物には目が無いらしい。

 サイズ的に大丈夫なのがあるかどうかをカレンに聞くと大人用は3つ作って来てるので大丈夫だって言うので1つ渡して見るとすぐに奥に引っ込んで行ったと思ったら


「ケ!ケビン!これヤバイ!買う!買う!幾らだ?」


 俺が幾らだ?と思うと何故か皆こちらを見ている。

 へ?俺が決めるの?


「んー洗って何度も使える事考えると今は銀貨1枚位ですかね?」


 リッカさんはお金を出して初制作の下着を買ってそのまま下着を着けた4人と共に商業ギルドへ向かう事になった。

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