自分だけの時間

@mol__des

寂しいの時間

「寂しい」って感じる時はいつもいきなりくる。

でも嫌いではない。

むしろ嫌な時が無いかもしれない。


暗い部屋やお風呂、街灯の少ない帰り道や公園、雨の日の音や景色、そういう場面や状況になった時、自分は寂しいと感じる。別に寂しいから誰かに会いたいとか、泣きそうだとか、慰められたいとか、話したいとかそういうことではない。自分の中で「寂しい」は気持ちが穏やかで冷静なのに高鳴る感じがする。この感情は自分の心を揺さぶってくる感じだ。そういう状況の間だけ、自分の集中力や忍耐力などパフォーマンスが向上している感じが好きでたまらなくなる。このたまらなくなる時間に、何も考えず歩いたり、本を読んだり、学校の課題をしたり、お風呂に浸かっていたいのである。

何回かこのたまらなくなる時間「寂しい」という感情を探しに夜更かしして本を読んだり課題をしたり、散歩をしてみたこともあった。しかしそれはただの夜更かしで、ただの散歩に過ぎないのであった。この感情は、探しても待っていても出てこない。なんの前触れもなくいきなりやってくるものなのだ。

だからこそ、心が揺さぶられたまらなく感じてしまうのかもしれない。

これは、「嬉しい」「悲しい」「楽しい」「幸せ」などのどの感情でもない。「寂しい」というただ一つの感情だけにできる時間なんだと思う。


何一つ変わらない日常、なんでもない日なのにこの一つの「寂しい」で少しの時間が特別になるかもしれない「寂しい」が嫌いじゃない。


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