足跡2

@stdnt

第1話

晩秋。寒々とした日本海を臨む砂浜だ。

人ひとりいない。足跡ひとつない。

潮風はすでに初冬のものだ。


寒いので、戻ろう。

ふりかえると、そこは先ほどと変わらない砂浜だった。はずだった。

足跡ひとつない。はずなのに、


足跡だらけだった。


背筋が寒くなったが、潮風のせいだろうか。


ふりむくことができなくなった私の背中に、

海中からたくさんの手がのびてきて・・・

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