第11話 幼馴染み

 こうして可哀想なトリ様様は、ついに力尽き、草の上で力なく眠りについてしまうのだっ――!?


 待て待て〜い。死なないから。死なせないから。あなたはあたしが守るからっ。 


 さて。まだ終わんないわよ。


「ねぇ? 起きて。起きてってばあ」


 澄んだ氷のようなクリアボイス。トリ様様が目を開けたら、そこには幼馴染のリンド・バーグが心配そうに見つめていた。


 やっぱりここは幼馴染み枠最強だよね。


「しょうがないな。バーグに頼まれたから、君のご飯も一緒に作っておいたからね」


 ……えと? ああ! カ・タリだぁ。まだいてくれたんだね。よかったよかった。


 あれ、でもカ・タリってアレじゃなかったっけ?


「まぁ、ぼくが作ったからには恐ろしく不味いけどね」


 それを聞いたのは、トリ様様がミミズ風のナニカを食べた後だった。


 トリ様様は、ゆっくりと眠るように目をつぶってゆく。いやもうコレ完全にヤバいヤツじゃん。ファイヤーを堪えたあの日々をおもいだしてぇ〜!!


 だけど、すっかり力尽きて眠りについたトリ様様は、口から泡を吹いていたのである。


 さて、そろそろ物語も佳境に差しかかってきました。


 それなのに、ああそれなのに。なんとうっかり忘れていたんですよね、缶バッジ。そりゃ、中にはステッカーを加工して缶バッジを作ってしまうツワモノもいらっしゃるでしょうけど、缶バッジだったら、さりげなくトリ様様をアピールできそうな気がする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る