十一 侵略情報

 ラスティがウオルターに『ヘルメットを脱いで顔を見せろ』と伝えると同時に、ウオルターが左腕に右手を触れた。

 一瞬にしてウオルターの姿が、見覚えのない戦闘気密バトルスーツをまとった姿に変わった。姿はヒューマノイドだが肩幅が小さく撫で肩で、前頭部と顎が異様に前へ突きでている。焼死したディノスたちの姿もウオルター同様に変貌し、腰の銃に手を伸ばした。


「撃てっ!連続速射だ!」

 俺たちは狙撃銃でエクスブローダー弾を連続速射した。



 ウオルターと焼死していたディノスたちが炸裂して飛び散った。飛び散った肉片は、宇宙艦の黒焦げた残骸が転がる黒焦げのトウモロコシ畑の大地を、黒と赤の斑模様に変えていた。


「ディノスは装置と呼ばれる変装用3D映像制御アームユニットで変身してた。装置の事は友人から聞いてた」

「友人って誰だ?」

 ラスティに俺は訊いた。


「統制理事会のエイプ統制官は異星体と癒着してうまい汁を吸おうと、異星体の侵入を手引きしてた。その事を教えてくれたのが、グリーゼ国家連邦共和国だ。グリーゼ国家連邦共和国はヒューマとディノスが共存する平和な国だ」


 グリーゼ国家連邦共和国は、オリオン渦状腕深淵部グリーズ星系主惑星グリーゼにある。一方、ここに侵略したディノスは、オリオン渦状腕深淵部デロス星系惑星ダイナスのデロス帝国軍だ。



「何だって!?」

 俺は驚いた。ラスティは侵略した異星体がディノスだと知ってたのか!?


「ねえ父ちゃん。お星さんが落っこちてきたよ」

 突然、チャッピイの声がした。


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