二 TV報道

「みんな無事か!」

 祖父ちゃんの家に着くと祖父ちゃんと祖母ちゃんが子どもたちに温かいミルクを飲ませた。

「みんな、無事だ」

 暑い夏だが温かいミルクを飲み、子どもたちは安堵している。


「ニュースで謎の小型宇宙艦が現われたと言っとったから心配したぞ」

「食糧と家畜と収穫した作物を全部略奪された!」

 俺はトウモロコシ畑に着陸した小型宇宙艦と、宇宙服の者たちの略奪を説明した。

「他に生き物を探してたみたいだ」


「家は壊されずに残ってとるんだろう?」

「ああ残ってる。家にも農機具にも手をつけなかった。」

「また野菜を作って家畜を飼えばいい」

「そうだな。奴ら何者だ?どこから何しに来た?」

「至る所に小型宇宙艦が来て、作物と動物と食糧を略奪しとる。人も略奪しとる」

 祖父ちゃんはTVニュースで報道されている状況を説明した。


「奴らは何だ?」

「ニュースを見ろ!当局は何も公表しないがニュースによれば、奴らは食糧や資源を奪ってる。民も連れ去っとてる。民も食糧らしいぞ」

 祖父ちゃんの話に子どもたちが驚いてる。

「祖父ちゃん。チビたちが驚いてるぞ」


「奴らが乗ってきたあの小型宇宙艦は明らかに地球外から飛んできたと見るべきだ。あの小型宇宙艦を格納して運搬する母船が、地球外に滞空しとるんじゃろう」

 祖父ちゃんはそう言って、異星体が他の惑星を侵略する場合を説明した。


「これから戦争が始まるのか?」

 祖父ちゃんの話で俺は不吉な事を考えていた。

「もう始まっとるぞ」

 TVのスイッチを入れた。ニュースは、防衛軍の偵察機を攻撃する小型宇宙艦を報道した。偵察機がミサイルを放つが小型宇宙艦のシールドに遮られて効果がない。偵察機は全機が小型宇宙艦のレーザーパルスを浴びて呆気なく墜落し、脱出したパイロットは小型宇宙艦に捕獲され、小型宇宙艦から骨が放出された。捕食されたのだ・・・。

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