第4話

 今日は休日なのですがギャルとゲームセンターに遊びに来ています。しかも今日はいつものように2人ではありません。


「今日はよろしくね〜サナっち!」

「よろ〜」

「は、はい……」


 なんと今日は彼女のお友達である三島風香みしまふうかさんと小路綾音しょうじあやねさんとの4人です。なぜこんな事になったのでしょうか?完全に私は派手な集団の中で浮いています。

 密かに原因である彼女を睨みながら3人の少し後ろを歩きます。


 ゲームセンターは駅の近くの複合型商業施設、もといショッピングモールの中にあるのでかなり人が多いです。

 たくさんの人が行き交う中を巧みに進んでいく3人の後ろ姿を見逃さないように気をつけながら進んでいきます。


 ようやく騒がしいゲームセンターについた頃にはもう私はヘトヘトでした…。


「大丈夫そ?」


 気疲れしていると小路さんが心配そうにこちらを見ていました。

 小路さんはギャル集団の中でも絡みやすく、こんな私でも結構話せるほうの人です。


「は、はい…なんとか」

「ま、むりすんな〜」


 自前の長いツインテールをくるくるといじりながら励ましてくれました。

 オタクに優しいギャルはいなくても陰キャに優しいギャルはいるものです。(ちなみに小路さんは『アニメとか漫画とか何がいいんだろ〜?』って言っていたのでオタク心には優しくないですね…)


「これこれ〜これが取りたくて来たんだよ〜!」

「こないだ散財してなかったっけ?」

「こないだは10回くらいしかしてないの!今日はたっぷり持ってきたし!」


 三島さんはギャルの中でもかなりオタクよりです。彼女が狙うのは実写化もされたアニメのキャラクターのぬいぐるみです。


「風香ってアニメ好きだっけ?」

「いんや別に。私はりょうたんが好きなだけでアニメには興味ないかなぁ」


 ただ彼女が好きなのはこのキャラというわけではなく、実写化した時の俳優さんが好きなのです。アニメには全くの無関心らしいです……惜しいですね……。


 ふと前から男性の5人くらいのグループが接近して来ました。


「ねぇねぇ、君ら遊んでる感じ?よかったら俺らと遊ばね?」

「ひとり地味だけど結構当たりじゃね?」

「カラオケとかいっちゃう〜?」


 チャラチャラとした男たちで馴れ馴れしくてうざったいですね。ていうかどう見てもヤ◯モクじゃないですか。普通に怖いんですけど。


「は?何こいつら」

「知らねぇ〜けどキモ〜」

「右に同じー」


 ギャルたちはこういうのノルものだと思っていましたがかなりドスの利いた声で威嚇しています。全員が全員男たちを睨みつけています。

 これにはさすがのチャラ男たちも怯んでいるようですね。こういうときにギャルは頼もしいんだ!


「ね、ねぇ君はいいでしょ?」

「へ?わ、私?!」


 チャラ男の一人が渡しの腕を掴んで話しかけてきます。正直鳥肌がすごいんですけど!ガチめに拒否反応出ちゃいます!


 助けを求めようとギャルさんたちの法をむこうとすると急に反対方向に引っ張られました。


「紗奈ちゃんに触ってんじゃねぇよ」

「うわぁ〜サナっちかわいそ〜」

「わかったらどっかいけよークソ男どもが」


 ワントーン低かった声がさらに低くなり、無事私は救出されました。これには感謝しかありません。

 男たちも流石にビビったようでどこかに去っていきました。なんだか怯えていたというよりもドン引きしていたようにも見えましたがとりあえずよかったです。


「サナっち大丈夫だった?」

「気分だいじょぶ〜?」

「は、はい…なんとか…」

「すー…はー…」


 未だ彼女に抱き寄せられたままですが、心配してくれているギャルさんたちにできるだけ笑顔で返します。


「すー…はー…すーーーっ」

「……」

「キモかったね」

「それな〜」


 ところで彼女は何をしているんですかね?ドサクサに紛れて私を嗅いでませんか?ギャルさんたちもよく気づきませんね。さっきの男もですけどキモい人もう一人いるんですけど。


「すーー…ん、はぁ…はぁ…」

「…………」


 うぅ…ギャルさんたちがいる手前叱りづらいです!早くやめてください!頭がゾクゾクするんですけど!!!!!

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