半グレの行く末
====== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
中津警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。
中津(西園寺)公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
根津あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。
=================================================
午後4時。
中津達は、ある調査を終えて、駐車場ビルに向かっていた。
あるビルの前。一階出口付近で、ある男がチェーン状のもので首を絞めながら、ビルに入って行った。
ただならぬ出来事に、中津は、目で部下に指示をした。
公子と根津は、ビルの横の路地から、裏口に向かった。裏口があるかどうかは分からないが。
高崎と泊は、間を置いて、首絞め犯人が入った部屋に向かった。
看板には、徳野結婚相談所、と書いてある。
高崎は知っていた。先日、〇〇組から、分離独立した、半グレの事務所だ。
恐らく、迷い込んだ人には、適当に誤魔化すのだろう。結婚相談なんかやってはいない。警察は、所在は認知しているが、何の証拠も無く、家宅捜索は出来ない。
公安の対象には、なっている筈だが、あの男は何者?
高崎と泊が踏み込むと、社員達が、男に銃を向けている。傍らには、ノートPC。
高崎と泊は、棒立ちしている社員達を無視して、チェーン男に襲いかかった。
男が反撃するより早く、公子と根津に後ろからキックされた。
中津は、瞬時の判断で、ノートPCの蓋を閉じ、電源ケーブルを抜いた上で、バッテリーを外した。蓋を閉めたことでスタンバイモードになったPCはバッテリーで処理を続行しようとするが、システムエラーが発生する。
Wi-Fiを中断するのもアプリの強制終了に役立つが、Wi-Fiを中断する為の手段が無い。パソコンは、電子機器だが、意外とパソコンの、『アナログ行為』には弱い。
チェーン男は、公子が、『鬼の形相』で送襟絞をした為、延びている。
襲われた男も延びている。
社員達は、銃を下に下ろした。急展開だが、『闖入者』に従うのが賢明だと判断したのだろう。
そこへ、派手な格好のおんなが飛び込んで来た。
高崎は、警察と中津警部に連絡を入れた。
おんなは、瞬時に悟り、中津所長に向いて、「こいつらが、何か粗相を?」と尋ねた。
「いや、無礼なことしたのは、そこに延びている男だ。『被害者』のあんたらにも事情を聞かないとなあ、徳野貴子さん。色んな部署の刑事に『事情』を話してくれ。」
程なく、警官隊を引き連れてやってきた中津警部が到着した。
「エイラブのヒットマンかもな。何か、送金している画面が見えたから中断させた。間に合ったかどうかは分からないが。」と、中津所長は中津警部に報告した。
「そうか。餌もなしに捕り物とはな。後は任せてくれ。」
午後5時。駐車場ビル。
「ご褒美の前祝いに、どっかで食って帰るか。」
「所長。もう、うどん屋はいいですぅ。」と、根津が文句を言った。
「じゃ、素麺。心配するな、うどん屋とは違う系列だ。」
中津の言葉に、高崎と泊は首を竦めた。
―完―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます