助けてもらった命で恋してる

夢価値

第1話

私の名前は伊薔薇、M町の高校に通う高校生!

今年で2年生になって学校にも慣れてきたけど、3年生になったら受験も控えてるからちょっと憂鬱~

部活は剣道部に入ってて1年生のころから結構強かったんだよ私

まあ最近は別のことが忙しくて練習できてないんだけど...

剣道部に入ったのは昔から続けてたから高校でもやろうかなって思ってただけ、な・ん・だ・け・ど~!

見学しようと練習を見に行ったら見つけたの、私の一個上の王子様みたいな先輩!

もうチョーカッコいいんだからマジで!

目がキリっとしててでも笑うとめっちゃ可愛いししかもその上すごい優しいの!あと声もイイ!!

次の日にはもう入部して先輩と一緒に練習したんだーいいでしょー

はあ、でもこのところ忙しくて練習できてないの。下手になって先輩ともできなくなっちゃったの最悪だよ。仕方ないんだけどさ

え?ああ、別のことっていうのは...

「出たぞー!みんな逃げろ!!」

あ、言ってるそばからだ

今日も行くかー。また先輩と話せなかったー

ごめんごめん、説明してなかったね。別のことっていうのはね,,,

私、魔法少女で、この街を怪物から守ってるの




どこだーどこだー

・・・いた、あそこ!

くらえ!ぶっこわれビーム!!

「ぎゃああああああああ!!」

ビーム、ビーム、ビーム!

必殺ぅ、たおれろビームっ!!

「ぐわあああああああああ!!」

・・・よし、全部倒したかな。

あ、人が倒れてる。大丈夫ですかー、いま助けますー!

「ありがとうお嬢ちゃん、本当に助かったよ!」」

いえいえ、ここは危ないから早く離れてね

「お姉ちゃんありがとう!その棒すごいね、ビームだせるの!?」

棒じゃなくてステッキだよー。危ないから触らないでねー

「ほんっとうにありがとうございます!お礼をしたいのでせめてお名前を、いやその仮面で隠している素顔だけでも!」

あははは、大したことはしてないですよ

「そんなことは・・・!後ろ、危ないっ!!」

え、後ろ?

「ぐるるるるるるるるる!」

やば、まだ残って・・・

「がああああああああああ!」

攻撃が、間に合わなっ!

「ぐる?」

え?光る縄が怪物の周りに・・・

「死ね」

「ぶっぎゃあああああああああ!!」

・・・・・・・

うわぁ、怪物が粉々になっちゃった。

こんな倒し方をするのは・・・

えーと・・・。あ、いた!

おーい、ユリー!!助けてくれてありがとうー!

「声がでかい」

そんなことないよ!助けてくれた人にはお礼を言わなくちゃ。ねっ、お兄さん?

「命の恩人だよ!ありがとう、二人ともありがとう!!」

「大したことしてないからいいよ」

素直じゃないんだから―

「あたしが全部倒すから邪魔しないでよ」

もー!私たちは仲間なんだから助け合わなくちゃ。それに私にはローズっていう名前があるの

「何が仲間よ、私だけで十分だしあんたの名前なんて知らない」

「ぎょえええええええええ!」

初めて会った時からそんな態度取って。・・・さては友達いないな?

「ぐぼあああああああああ!」

「ここにも怪物がいるすぐ殺さなきゃ」

わーこっちに武器を向けないで危ないから!

「でぃあああああああああ!」

「私が怪物倒してる最中に話しかけるな、邪魔するなって言ったでしょ!」

「ろぉぉおおおおおおおお!」

邪魔してない私も手伝ってるの!

「ぶごおおおおおおおおお!」

「前から思ってたけど、さては怪物を倒すことよりも私の邪魔をすることが大事なんじゃないの?」

そんなわけないでしょ!?

「どーだか?邪魔をして集中力が切れたところを攻撃するつもりなんでしょ!」

被害妄想がすごいって!

「妄想!?現に私はこうやって・・・」

危ない!!

「えっ!?」

「ふっしゃああああああああ!!」

「消えろビィィィィィィィムッ!!」

「ふっ、しゃぁああああ・・・」

・・・・・・

・・・ほら、ふたりでやった方がいいでしょ?

「・・・いやあんたに話しかけられて危ない目に遭ったのは事実だけど」

感謝の言葉はなし!?

「呪いの言葉ならあるわ、消えて」

なんでそんなひどいことを!

「はぁ、もういい。疲れたし、いつのまにか全部倒したわね」

ほら作戦通り。

「・・・・・・」

え、無視?

「・・・うるさい、帰るわよ」




でさー、いつもの時間になっても怪物が現れないから今日こそは先輩と話せるって思ってたのにちょうど現れたからすごい萎えちゃってーでもみんな無事で良かったしユリのおかげで助かったよー

「一緒に帰るんじゃなった・・・」

初めて聞くんだけどさー、ユリって魔法少女してる時の名前じゃん。本名はなんて言うの?

「あんたが勝手に呼んでるだけじゃん」

あれ、そうだっけ?でも全体的に白いし、武器の縄も光るから白い花の百合はぴったりだと思うな!

「命名理由は聞いてない。名前も教える気はない」

私の名前は野薔薇っていうの、改めてよろしくね

「・・・・」

・・・・・

「・・・・・・」

・・・・・・・

「・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・私の名前は。

「聞こえてるしそっちが名乗ったからってこっちが言う必要はないでしょ」

礼儀って言葉を知らない家庭で育ったのかな?

「えぐい悪口よそれ」

このステッキを見てください。あなたは段々自分の本名を言いたくなる~

「それに催眠術効果なんてないでしょ」

山田、大谷、杉田、田中、鈴木、原田、水谷、大島!

「名前を言い当てようとするな。どれも合ってない」

フワ、マツコ、タモさん!

「どれも芸能人じゃない。その人たちなわけないし」

この問題難しいからギブ、正解教えて!

「クイズを出した覚えはない。ねえ、私の本名を知ってどうすんのよ」

・・・・・

「・・・・?」

と、友達になりたいから、だけど・・・

「・・・ずけずけ質問してきてそこは恥ずかしがるの?」

だって、友達になりたいなんてはっきり言わないし・・・。自然となるものだし・・・

「友達多い自慢かしら。私はあんたと友達にはならないし本名も教えないわ」

うーん、わかったよ・・・

「・・・二人のほうが効率は良いし、倒す時間も早くなるわ」

え?

「怪物からしたら敵がいがみ合ってるなんて好都合だし、それで奴らに負けるなんてすっごい癪」

うん

「それに魔法少女は今のところ私たちだけだものね」

うんうん

「だから、さっきあんたが助けてくれたのは、正しいわけで・・・」

うんうん、うんうん

「・・・その、助かったというか」

・・・あっ、もしかしてお礼を言ってる?

「・・・・」

な~んだそんなことか~。仲間なんだし当然じゃないですか~。いやでも?どうしてもお礼を言いたいっていうのなら?聞かないわけにはいきませんよね~

「・・・やっぱ嫌い」

ああ、ごめんて!死ねや消えろよりもそれが一番傷つくかもー!

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