第3話 簡易プロット

 まずは簡易プロットからです。

 

 ここでは、とりあえずの方向性を決めます。

 あくまでもとりあえず。気負わないでください。どうせ詳細プロットで修正することになりますから。(笑)


 また下記では、すでにキャラクター名が入っています。

 しかし、ここで決まっていなくても問題ありません。

 主人公が、とか。幼馴染が、とかで大丈夫です。


 わたしの簡易プロットでキャラクター名が決まっているのには理由があります。

 それは、新人賞で一次選考を通った作品を元に作り直しているからです。

 送られてきた選評を参考に、大幅に変更しようとしているのです。


 では、ここからは実際に簡易プロットを作っていきましょう。




 ログライイン


 ログラインとは、作品を一行で説明したものです。

 物語の背骨であり、木の幹になります。


 ログラインは明確かつ、、わかりやすいほうが読者に伝わりやすく、支持されやすいと言われています。

 名作と呼ばれる作品ほど、ログラインは単純明快なことが多いです。

 

 わたしの場合、ログラインを文章で考えはじめると混乱するので下記のように部分ごとで決めていきます。

 下記を文章に直すと「アリアが聖女になって人々を助ける」物語、になります。


 主人公:聖女アリア

 時代:教国歴四八七年 ケニス歴一九八年

 場所:ケニス小国

 動機:人々の助けになりたい。

 手段:聖女になって




 この作品の面白さは何か。


 そのままです。

 作品の、どこを売りにするかを考えます。


 ・聖女アリアのドS化。

 ・聖女アリアの葛藤(本人はドS化したくない。だけどドS化は条件反射のため、自分の意思では止められない)

 ・カルロスの変態っぷり。




 この作品の特徴はどこか。


 他の作品と、何で差別化するかを考えます。

 面白さと重複しても構いません。


・聖女アリアのドS化。

・田舎ならではの空気感。。

・カノン教とオーディラル教による対立構造。




 あらすじ


 簡易プロットの目玉です。

 物語を順序立てて考えます。


 ここで決めるのは(仮)です。

 詳細プロットで変わるので、気軽に、なんとなくで構いません。

 

 また物語の考え方はログラインと作品の面白さから、必須になるであろうエピソードを導き出していきます。


 

 アリアが聖女となって人々を救う。

 →どうして聖女になろうと思ったか。(動機)

 →聖女になってどうしたいか。(目的)

 →聖女になってどうなったか。(結果)


 

 聖女アリアのドS化。

 →なぜドSになるのか。(理由)



 聖女アリアの葛藤。

 →なぜドSになりたくないのか。

 →ドSが嫌だ。→他者を傷つけたくない。→アリアは優しい性格。



 カルロスの変態っぷり。

 →なぜカルロスは変態なのか。

 →天性の変態でないのなら理由が必須。

 

 

 では大まかなエピソードの輪郭が出たところで、簡易プロットを作り出します。

 ちなみにわたしは起承転結で考えます。


 特に起の最初が重要です。

 ここは一番熱いシーンか、物語の核心となるシーンを置きます。


 なので、わたしの場合は《聖女アリアのドS化》にします。



 起


 ・聖女アリアの導き。(ドSver.)

 →導きから始まるということは、この時点でアリアは聖女になっている。

 →物語の方向性は二択。過去らが現在、現在から未来。

 →ドS化した導きが求められるようになった説明がしたいから過去から現在を選択。


 ・聖堂にソロがやってきて、アリアに導きの始まりを問う。


 ・聖女アリアの過去。

 →聖女についての説明。

 →どうやって聖女になったか。

 →聖女セレーナとの暮らしぶり。ケニス小国についても触れるか.?

 →カルロスの変態っぷり。アリアがドSになる理由をカルロスと関連付けるのはどうか?

 →聖女になった祝いの席で失敗。

 →酒によってパン屋への暴言。


 ・聖女アリアの過去。

 →なぜドSの導きをするようになったか。

 →願いが叶ったとパン屋から感謝。

 →それからアリアの導きが人気に。



 承


 ・聖堂にヤンがやってくる。


 ・ヤンはソロに、ケニス小国へ来た理由を問う。


 ・コラス三姉弟の過去。

 →ソロたちは母国に裏切られて旅をしていた。

 →弟を連れての旅。→ソロは責任感と母性が強い?

 →ケニス小国で横暴な振る舞い。金を要求?

 →世界に絶望していたソロをアリアが救う。ドS化必須。



 転


 ・クリスタとのデート。

 →アリアが聖女を目指す理由の開示。


 ・カルロスの告白(愛じゃないよ。懺悔のほう)

 →実はアリアの導きが人気になったのはカルロスの陰謀だった。

 →カルロスが変態になった理由。

 →↑二つの関連性があればベスト。



 結


 ・外国にも聖女アリアの噂が広まり、外国の聖女は頭を抱える。

 →これもカルロスの仕業か?

 

 ・外国の聖女がケニス小国を来訪。

 →噂の調査。


 ・外国の聖女が、アリアの導きをやめさせようとする。

 →手段は国民を巻き込む乱暴なもの。暴動の誘発?

 

 ・ドS化した聖女アリアが外国の聖女を叱責。

 →外国の聖女がアリアの信者になる。感動したから?


 →アリアはドS化する自分を受け入れることができるか?

 →それとも最後まで否定するのか。



 ミッドポイント

 →カルロスの告白。


 ミッドポイント前

 →アリアの過去。ドSの導きが広まる過程。国内の問題。

 

 ミッドポイント後

 →アリアの現在。ドSの導きが広まった結果。国外からの問題。



 ミッドポイントとは中間点のことです。

 ミッドポイントの前と後で物語の目的や方向性を変えます。


 なぜミッドポイントで前後を分けるか?

 読者が飽きるからです。


 ミッドポイントの前後が違えば違うほど、読み味が変わり、読者は飽きにくくなります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る