第88話 残り僅か


 ジャパンカップはやっぱりオルフェとジェンティルの激闘が繰り広げられた。

 回帰前同様かなり物議を醸してるが、やっぱり一番好きな馬って事で、勝ってくれたのは嬉しい。あのジェンティルの負けん気が本当に好きだなぁ。この時のオルフェに勝てるって凄い事だと思いますね、はい。




 母さんが豚になった。某ジブリみたいな事を言ってるが、簡単に言うと肥えた。

 豚は実はデブじゃない云々はさておき。


 流石にこれは見過ごせない。

 せっかく過労死エンドは避けたのに、別の健康上の理由で死んでもらっては困る。

 ちゃんと運動はしてるらしいのに、どうしてこうなったと思ったが、答えはゴミ箱に隠されていた。


 お菓子やホットスナック、コンビニスイーツのゴミ残骸の数々。ご飯以外に間食しまくってたら、そりゃそうなるよね。

 まぁ、気持ちはわかるよ。肉まんとか唐揚げとか美味しいもんね。俺も偶になら良いかなと思う。


 でも母さんは毎日じゃん。太るに決まってるよね。これは心を鬼にして注意せねばなるまいて。


 って事で苦言を呈した訳だけど。

 食べる量を減らすのと、運動量を増やす事には同意してもらった。一応、新居にはジムもどきを作ろうと思っている。

 配信者として活動する以上、運動不足になる可能性があるからね。


 家から出なくても運動出来るように、きっちりとそうい設備は用意するつもりだ。

 引っ越ししたら、母さんにもそれを使ってもらえば良いだろう。ガチガチにカロリー管理とかはするつもりはない。


 でもデブに見えないようにして欲しいなとは思う。せっかく美人な顔してるんだからさ。美魔女路線を突っ走ってくだせぇ。

 梓の母さんは大丈夫かな? 明日聞いておこう。




 「うちのママもちょっと怪しいわよ」


 「やっぱり家でずっと暇してるのが良くないのかなぁ」


 期末テストも終了。年明けにはすぐにセンター試験がある。それが終われば大学受験。

 高校生活も残り僅かだな。


 で、梓に母親について聞いてみたけど、梓の家も怪しいらしい。家にずっといるのが良くないのかもしれん。何か外で趣味でも見つけてくれないもんか。


 かと言って、男漁りとかはやめてほしいけど。ただでさえ母さんは顔さえ良ければ全て良しの人間だし。ホストとかにハマるのは勘弁願いたい。金はあるからな。無いとは言い切れん。


 別にホストに行くのはいいけど、のめり込まないでほしい。ああいうのって、一度ヌマったらとんでもないことになりそうだし。

 まぁ、勝手な想像なんだけど。


 「もしくは再婚とか? 俺も大学生になるし、そういうのも考えてもいい頃だと思うんだけど」


 「どうかしらね? お義母様も私のママも、そういうのを求めてるようには見えないけど」


 流石にこれは聞けないからなぁ。

 ってか、あんまり想像したくないことなんだけど、性欲ってどうやって抑えつけてるんぁろうな。


 女性って30代を過ぎてから、性欲がかなり高まるって聞くし。回帰前の梓なんてそれはもう凄かったぞ。いや、これは女性だけの話じゃないか。


 男は風俗で発散するって手があるけど、女性用風俗が流行り始めるのって、もう少し後だよなぁ。


 「……なんで俺が母親の性欲事情まで心配しないといけないんだ。なんか想像したら気持ち悪くなってきたや」


 「案外私達が学校行ってる間に何処かで男を引っ掛けてるかもしれないわよ? 二人とも美人だし。もうすぐ40には見えないじゃない。30代前半でも全然通用するわ」


 やめろやめろ。また想像しちゃうでしょ。それに男を引っ掛けてるなら、それなりに体型も気にするでしょうよ。


 あんなぷくぷくと肥え始めてるんだ。

 多分今のところそういうのはないんだろう。働いてもないから出会いもそんなにないだろうし。


 

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