俗物夫婦回帰転生

第76話 二日目・三日目

　沖縄修学旅行二日目。

　今日は少し遠出する。

　ホテルからバスを乗る事2時間ほど。

　「沖縄美ら海水族館でござい」

　沖縄観光の定番スポット。沖縄美ら海水族館。

　沖縄の海を再現した水槽もあって、沖縄を楽しむ上では欠かせない場所だ。

　「ジンベエは絶対見たいな。マンタも」

　「ジンベエザメは大阪でも見れるわよ？」

　それを言っちゃいけませんぜ。

　沖縄で見る事に意味があるんだよ、きっと。

　なんか世界最長飼育記録とかあるんじゃなかったっけ？　それの何が凄いのか俺には分からないけど、世界記録とか言われると凄いんじゃねと思ってしまう。

　「うわぁ。すげぇ」

　「おっきいわねぇ」

　まずやって来たのは黒潮の海水槽。

　日本一巨大な水槽らしい。

　「ジンベエザメが三匹も居るわ」

　圧巻ですなぁ。学校のプール何個分の広さなんだろうか。

　「谷君、中村さん、あそこにカフェがあるわよ。水槽を見ながら休憩出来るみたい。どうかしら？」

　ほう。それは良いな。班員の女性が、とある場所を指差して提案してきた。

　まだ来たばっかりだけど、なんか優雅な感じがするから是非行ってみたい。

　水槽を見ながらの席は中々激戦区らしいのだが、俺と梓の運が仕事したのか、偶々空いていた。

　これはラッキーである。

　カフェで優雅にお茶をしばいた後は、サンゴの海ゾーンへ。

　ここは思ったより人気がないのか、人が少ない。

　魚がいないからかな？　サンゴって普通に綺麗で見応えがあると思うんだけど。

　で、その後はイルカショー。

　水族館に行ったらイルカショーは外せないよね。

　こういうショーとかは普通に面白い。イルカって可愛いしね。

　クオリティが高くて面白かったんだけど、個人的に凄いなと思ったのが、イルカが一回口にした食べ物を吐き出すやつ。

　頭良すぎるだろ。こういう動物が餌を吐き出す芸をするって。どういう躾をしたらこうなるんだろ。

　言葉でも分かるのかね。

　イルカショーを見終わるとサメゾーンへ。

　「イタチザメかっけー！」

　「オオメジロザメの方がカッコ良いよ！」

　男性組大歓喜。

　マジでかっけぇんだわ。大きさもそこそこあるし、迫力がある。普通にヒト喰いザメなんだけどね。

　「これよりデカいジョーズって…」

　「ジョーズのモデルってホオジロザメじゃなかったっけ？」

　あれって、確か昔アメリカで似た様な事があったのが映画になったんだよね。

　3m近くのホオジロザメが襲ってきたらしい。普通に怖い。

　「んふー。満足したー」

　「もう少しじっくり時間を掛けて回ってみたかったわね。水族館の裏側体験なんてのもあったし」

　それな。でもここはホテルから結構距離がありましてなぁ。移動に時間が掛かるから、そこまで長居は出来ないのです。

　てか、美ら海水族館がアクセス悪いんだよね。

　那覇空港から遠すぎるんよ。個人の旅行ならまだしも、修学旅行で来る場所じゃない。

　俺達は少し無理して来たけどね。

　「さて。帰りますよー」

　二日目はこれで終了。

　三日目は国際通りでお土産を買う感じだな。

　「沖縄はもっと時間を掛けてじっくり回りたい場所だな」

　「そうね。海にも行きたかったし」

　大学に入ってから再チャレンジかな。

　その時は車の免許もあるだろうし、レンタカーを借りれるから行動範囲も広がるはず。

　これで高校の主だった行事は終わりかなぁ。

　まだ文化祭とかもあるけど、二年の時ほど楽しめないだろう。丁度受験の追い込みをしてるときだろうし。受験前の最後の息抜きって感じかなぁ。