『デジタル食人類』
やましん(テンパー)
『デジタル食人類』
『これは、ジョーク・ホラ・フィクションです。』
🍻🍦🍧
『デジタル食法』により、国民は、緊急の場合を除いて、『デジタル食』を通常とし、『アナログ食』は、原則禁止されたので、ある。
モーストスマホから、人体に、直に、エネルギーを供給できるようになったため、食事をする必要性が、ほぼ、なくなったのである。
なので、給与の大半は、当たり前に電子マネーになり、小売業や外食業、官庁なども、大改革された。
デシダル化は、実現したのだ。
ある、よく分からない、一部分を、除き。
つまり、どこからでも、モーストスマホや、公共端末などで、アクセスし、データで、食事をするのである。
食感や味も、送信されるので、実際に食べるのと、感覚的には、なんら変わらないという。
ただし、お口の運動とかをするデータも、あわせて提供される。
年金も同様である。
だから、庶民がお金をみることは、まず、無くなった。
会計処理も必要がなく、妖しい会計操作もできなくなった。
と、言われている。
また、食害とか、食中毒とかも、ほぼ、無くなった。
国民の健康は、著しく向上した。
政治のクリーン化も、一気に進んだと言われていた。
しかし、世の中、いつも、脱法行為はなくならないものだ。
それから、なん世紀か、過ぎ去ったのである。
😷😳😤😪😝
ぼくは、取材のために、ある『古代アナログ食を食べる神秘教会』、略して、『コアナ神秘会』という、恐るべき名前の、カルト宗教団体に接触しようとしたのである。
彼らは、新日本合衆国の、とある、深い山間部に住んでいるという。
交通手段はなく、通信手段もない。
スーパー・モーストスマホ(スモスマ)は、国土すべてで、使用できると、国はうたっていたが、それは、人が住む場所ならすべて。ということで、そこは、人が住めない場所とされていた。
だから、当然に、そこに行き着くことは、困難至極である。
はるか昔には、住んでいた人があるらしいが、いまは、人跡未踏の地になっていた。
また、あまりに深い山の中であり、上空からは、技術的にも、簡単には、観察できないらしい。
また、する意味もないわけだった。
😭😫😱😨😲
ぼくは、必死の思いで、ある、美しい手引き人にひき連れられて、そこに、潜入取材をした。
そうして、まさに、恐るべき光景を目の当たりにしたのだ。
なんと、彼らは、口で、ものを、食べるのである‼️
食料は、山々や、川から、草木や、生き物を、採ったり狩りをしたりするのだそうである。
それを、切ったり刻んだり、引き裂いたり、さらに、煮たり焼いたりするのだあ!
ぼくは、見た❗
まさしく、恐るべきことが、行われていた!
なんという、おぞましい光景であろうか✨
ぼくは、なんと、さらに、それを、それを、直に、食べた。
食べたのである❗
帰ったら、いや、帰れたら、すぐに、病院に行かなければならない。
が、実際には、最初は、口が、まるで、動かなかった。
はたして、口で、かじるなど、できようか?
一口かじるのにも、何時間もかかってしまった。
まずは、柔らかいものから、始めたのだ。
なんという、恐怖の体験であることか。
口で、食べるなんて。あり得ない。
しかし、彼らは、我慢強く、指導をしてくれたのである。
それは、まことに、懇切丁寧であったことは、言っておきたい。
ぼくは、ごく、限られたものしか、食べられず、あとは、持参した、デジタル食品にしてしまった。
彼らにも、食べてもらおうとしたが、拒否された。
あまりに、壮絶にして、厳しすぎる場面は、検閲にひっかかるから、省略するが……
しかあし!
彼らのリーダーは、さらに、恐るべきことを告げた。
『こんなので、驚いてはだめだ。我々は、まだ、アマチュアである。この、山の、さらに奥地には、もっと、凄い連中がいる。そこには、なんと、料理の神様がいるらしい。そうして、さらなる神様たちが、遥かな宇宙から、やって来るのだという。しかし、見たことはない。見ると、すぐ、死ぬという。くわばらくわばら。なまごみだあ。うんじゃあまいやら。うんじゃあまいやら。めん。くい。にこう。』
🙈🙊🙉
この、初心者記者が書いた、稚拙な記事は、しかし、巷に大論争を巻き起こしたのである。
あり得ない。
冒涜である。
いや、まさに、神秘だ。
捜索すべきだ。
いや、すぐに攻撃し、破壊すべし。
いや、嘘に決まってる。
諸々
が、確かめに行く、勇気のあるものは、居なかった。
人類の技術は、かなり、アンバランスになっていて、わざわざ、探検するには、もはや、メンタルも、身体も、向かなくなっていた。
🍚🍙🍞🍔🍟🍜🍤
ブームというものは、しょせん、命が短いものである。
この、記事を書いたぼくは、まだ、生きていた。
もちろん、あの業界にはいない。
あの後、転職して、とある法律事務所に勤めた。
いまは、なにもしていない。もはや、引退したからである。
しかし、あの時聞いた、『神様たち』というのは、何なのか?
その後も、まるで、消息は聞かない。
あの団体が、まだ、有るのかどうかも分からない。
あの時、ぼくは、編集長とともに、左遷された。
月支局に、である。
食料は、地球から、データ配給されてきていた。
味は、地球と変わらない。
しかし、ぼくは、ある情報を、じつは、掴んでいた。
月の裏側に、口で直にものを食べる、カルト教団がいるらしい。と。
あの時は、そうした状況ではなかったが、今は、密かに、調べたいと、思っている。
だから、むかしの手引き人に、連絡してみた。
なんと、通じたのである。
その人は、いまや、大統領の秘書官なんだという。
『はははははは。わたくしも、近く引退しますよ。ひとつ、やりますか? ふたりで、世の中、ひっくり返してみますか? まあ、少し待ってください。急いては事を仕損じる。と、申します。神様たちは、逃げませんが、現場を押さえるのは、かなり、大変です。』
🌰🍄🍄🌽🍊🍶🍳🍪🍖🍛
おわり
『デジタル食人類』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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