短編「親父」
春野日差
第1話
ワシは一家の長、「親父」だ。
そうは言っても、
まともな親がいなかった俺が、
まともな親父なんてなれるわけない。
息子たちに親父らしいことをしたことなんて、
せいぜい、盃一杯の酒を、
一緒に酌み交わすぐらいだ。
つまらねえゴミ清掃の仕事を一家総出でやって、
日々の生活をしのいでいる。
息子たちには、
嫌な思いをさせちまってるよなあ。
まともって、何だろうなあ。
俺たちの仕事が、
国の親父に繋がってるなんて、
まともなのかなあ。
国の親父に金を払えば、
黒い宗教も白くなるなんて世の中、
まともなのかなあ。
次生まれてくるときは、
まともに生まれてえなあ。
短編「親父」 春野日差 @harunohisasi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます