清く、正しく、かしましく!

びたーすてら

始まりの春

第1話 入学式

「籠女~!?まだ起きないのかしら…今日は入学初日よー、しゃんとしなさいっ」

「ふぁい…起きてまふ…。…んん~~~~!!」


半分寝ぼけつつ母へ返事をする籠女。伸びーーーーーをして、蛇口を捻る…

「つめたっ」

まだ水道水も冷たい時期であった。おかげで目が覚めた籠女は下に降りて行って朝食を食べる。


もそもそと、シーザーサラダを口に運んでいたその時…。


「ピッポピッポピポピポピンポーン!」


「ふふ、末莉ちゃんね」

「私、ごはん食べてるから、お母さん出てー」

「はいはい!今出ますからね」


ガチャ、ドドドド!!

「おうおはよー…ってまだ飯食ってるのか。相変わらず籠女はとろいな!」


すたすた…

「あの、いつも末莉がすみません。」

「いーのよいーのよ!」

「ほら籠女、のんびり食べてないで。そろそろ出ないと遅刻よ」

「ふふっ、葵ちゃんはいつもしっかり者さんねぇ」

「そ、そんな事はないですよ…」



結局、籠女のペースに合わせていたら時間ギリギリになってしまった。

「だから言ったじゃない」

「もぐもぐ…」

「しかもまだ食べてやがる」



「この学園の校風は自由がモットーです。ですが、勉学には励みなさいね」

などという、校長先生からのお言葉を…まともに聞いていたのは葵だけだった。


そして、教室が割り振られ…


「また3人一緒だな!あはは!」

呑気な末莉。

「騒がしいのからは逃れられないのね…」

げんなりしている葵。

「すやぁ」

食事に満足したのか速攻で寝始める籠女。



自由な3人組の学園生活が、今始まる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る