詩 繁りゆく

忘れてゆく忘れてゆく

昨日の灯も

十年前の泥沼も

豊かな夜に訪れる優しい波

繁るジャングルのなかで

私はたった1人で震える


誰も助けてはくれないが

耳を凝らせば

虫の羽音

けものの息

葉擦れと水脈


壁と床はあるが屋根はない

見上げれば星が繁る空

埋もれている小さな星にも重力があることを私は知っている

いっぱいに手を広げて

いつか新星になるその日まで

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