語彙力のない殺人

みなもとあるた

語彙力のない殺人

「なんか犯人が分かった気がします」


「マジなのか探偵!?今回のはどんな感じのアレだったんだ?」


「部屋には、なんとか調の装飾が施された家具がありましたよね?」


「ああ、あの、なんかいい感じの雰囲気のやつか」


「アレの引き出しを開けようとすると、上手いこと毒針が出てきてヤバい感じになっていたのです」


「まじで?今回のコレはなんとかって金属のナイフでアレされたんじゃないの?」


「ナイフが直接のアレだとしたら、これがもっとアレな感じだったはずです」


「これって確か、どっかの国で買ってきたなんとか織りのカーペット…」


「生きている内にナイフでアレされたら、血とかいろいろヤバくなってるはずですから」


「確かになんかそんな感じする…」


「カーペットがそんなでもないということは、犯人は毒針でアレした後に、推理をだめな感じにするためにナイフをアレしたということです」


「毒って、どんな感じのやつなんですか…?」


「テレビとかでよくある、なんかそんな感じのやつですね」


「じゃあ、あのなんか時間の都合がいい感じの人たちは…」


「逆にいい感じじゃないという事です」


「やべぇ…」


「この屋敷はなんとか方式で建てられたやつですから、時間的にアレできなさそうな感じだった人が逆に怪しい感じです」


「聞いたことある…海外のなんかすごい建築家のアレを参考に作ったらしい…」


「そして部屋にはなんとか王朝の偉そうな人が描かれた絵画がありますね」


「ああ、確かになんか良さげなやつね」


「でもこれ、本物じゃなくて偽物になってますね」


「ガチで!?」


「なんかこの辺の絵の具の感じが何とか画法にしてはアレだからそんな気がします」


「言われてみればなんかそんな感じ…」


「つまり犯人は、あの絵画をめっちゃ欲しがっていたアイツです」


「マジかよ…ぜったいアイツが犯人だと思ってた…」


「いえ、その人じゃなくてアイツです」


「え、ワイン飲んでたアイツじゃないの?ブドウの奏でるなんちゃらのハーモニーとその奥に感じるなんとかのニュアンスがどうこう言ってた…」


「いや、だからその人じゃなくアイツが犯人で…」


「だからアイツでしょ?どっかの国で織られた布をなんとかメイドしたドレスになんとかの装飾をいい感じにした…」


「いえ、そうでもなくて…」


「そうか!なんちゃらって作家のなんとか文学を読んでたアイツなら今回の事件をアレできたんじゃね?」


「だから!!私達の語彙力をこんな感じにした犯人はアイツなんですって!」

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語彙力のない殺人 みなもとあるた @minamoto_aruta

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