サンタクロース

Grisly

サンタクロース

12月24日深夜11時30分。

クリスマスイヴの夜。

暖炉の前で、サンタのお爺さんは

出動要請を待っていた。


元々は、彼1人で配っていた

プレゼントだったが、

彼ももう若くはない。

プレゼントは

各家庭で用意してもらうことに。



しかし、

だからと言って彼の仕事は無くならない。

クリスマスには夢が必要なのだ。


年に一度、赤い服を着て、

ソリに乗って飛んで見せること。

これが彼の、年に一度の仕事。


トナカイ達の手綱を握りながら、

彼はいう。

「先行者利益というもの。

 昔は、身を粉にして働き、

 それでも赤字だったが、

 今や、年に一度飛ぶだけで、

 給料は、昔とは比べ物にならない。

 

 そのうち、動けなくなったら

 サンタクロースの役も

 誰かに代わってもらって、

 権利だけで収益を得ることにしよう。」


クリスマスには夢が必要なのだ。



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サンタクロース Grisly @grisly

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ