第2話 君達は何者
『神聖なる下界の選ばれし民よ、我らに光を与え給え…』
(な…に、この…声……)
それから間もなく、B組の全員が光に包まれ、教室から跡形もなくいなくなっていた。
―――――――――――――――――――――――
(う、ん…?……ここ、どこ?)
私が目覚めるとそこは、明らかに日本とは異なる世界が広がっていた。
「おい、ここどこだよ??」
「建物の感じからして、神殿、かな…?」
「でも日本、ましてや世界にこんなとこねぇぞ?」
有馬優斗と市ノ瀬茉優の言う通りだ。ざっとこの部屋を見渡したところ神殿と思われるが、私達の住む地球にこんなところがあるはずない。
石やきらびやかな宝石、絵画や陶芸品の数々で埋め尽くされた洋風の神殿の中央、と思われる場所に大きな椅子―玉座があった。
(まさか…異世界、ははっ…そんなわけ無いか…少し疲れてるのかな。)
そんな妄想を私がしていた直後、王と思われるキラッキラの衣装を身に纏った小さい老人と、これまたキラッキラの衣装を身に纏った綺麗な女性が現れた。
「おい!お前が誰だか知らねぇけどここは一体どこなんだよ!」
「そうよ!!いきなりこんなところに連れて来て、何が目的なの!?」
有馬優斗と有村伊織が叫んだ。
すると、私の妄想を代弁したかのように王がこう言った。
「いやはや、選ばれし民の皆様方は気迫が違う。皆様方はこの世界の召喚の儀式『キルト』にて選ばれたのです。どうかこの国を、世界を救うために我々に力を貸してくだされ。」
(…………………はぁ???)
私は、理解ができなかった。
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