第5話「金の行」
「金の行」は『舟をこぐ』じゃ、これは金のように貴重な行法なんじゃ。
繰り返し手を振り下ろす行法に『スワイショウ』と言う物があるが、『舟をこぐ』も似たような効果が出ると思う。
なれてくると長い時間することができる行法なので效果は桁違いになるのじゃ。
舟をこぐは首と仙骨にある副交感神経を連動して動かすことで、体をリラックスさせる行法じゃ。
一から三の型があるが、頭を深くさげて手をヘソの高さに引いて骨盤の仙腸関節を緩める下段の技。
頭はあまり下げないで手を胸から肩の高さに引く中段の技。
中段の技から手を頭の上にあげる上段の技がある。
あまり型にこだわらず、その時の自分のコリに合わせていろいろ混ぜてやるといいぞ。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、仕事をする昼間は緊張の交感神経が働くのじゃ、夜はリラックスさせる副交感神経が働くようになっているんじゃが、緊張が強いと夜に副交感神経が上手く働かないんじゃ。
そこで夕方に『舟をこぐ』をすることで副交感神経が働くようになるんじゃ。
寝る直前にやると逆に目が冴えてしまうぞ。
椅子に座っていても、布団に仰向けに寝ていても仙骨から出ている副交感神経は圧迫されているんじゃ。
仙骨を手でなでるのもいいぞ。
これは、秘密の話しじゃが、前屈をして体を起こし、そのまま手を上に上げる。これを繰り返す。
こんな簡単な動作でも、もし、習慣的にやるようになれば将来的には体にずいぶん違いが出ると思うぞ。
気を込めてやるんじゃ!
前屈も足の裏のすじを意識して丁寧に、そして、ここという所で「ふ〜〜っ」と息を吐くと体は少し前に動く。
手を上に上げるのも首の関節と肩の関節を意識してスムーズに関節が動くように首を回したりしてな、はたから見ればタコ踊りみたいだが首と肩の交わる部分はコリやすく、これは、とても大切な行なんじゃ。
【舟をこぐ】やり方。
【一の型】
①片足を半歩前に出し、少し斜めに平行に立ちます。
②頭を前に倒し、肩の力を抜き、腕を下から櫓を漕ぐように肋骨の下に上げる。そのまま体を後ろに反らし、アゴも後ろに反らします。
渡し舟をこぐような気持ちで、体の力を抜いてゆっくりと繰り返します。
片側1~2分で左右。
【二の型】
一の型と基本は同じです。
手を引いた時に上半身と首を左右にねじります。
①、一の型で手を引く時乳首あたりに引き、一旦停止して、ゆっくり前に出した足と別の方(左足が前なら右側)にひじと首をゆっくりとねじります。
左右。
②、①と同じ動きなんですが、前にある足と同じ方(左足が前なら左側)にひじと首をねじります。
【三の型】
①、一の型の動きで、頭を前に倒し、その時腕を上げずに下に垂らしたまま上半身をおこすと同時に肩を上げて、直立して肩をさげます。
②、①を繰り返します。肩を上げる時は緊張して、肩を下げる時に息を吐いて力を抜きます。
※1度にやり過ぎないよう、こまめにやりましょう。
病気のある人は無理をするとかえって悪化することもあります。
最初は少しずつやってください。
慣れてきたら10~20分くらいやるといいです。
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