鉄拐仙人の導引のやり方。
ぢんぞう
第1話「月の行」
導引のやり方を、わし鉄拐仙人が解説するぞ、まず大切なのが無理をしないことだな。
最初は少しづつやってみて、だんだんと増やしていくんじゃ。
わしは一生懸命に導引をやって、次の日に動けなくなったことが何度もある。
『腹八分目に医者いらず』なんて言葉があるように、導引も八分目ぐらいでいいと思う。
持病のある人や体の弱っている人は八分目とは言わず、三分目でも十分じゃろう。
とにかく無理は厳禁じゃ。
昔の修行僧や仏仙を目指す者達は、それこそ命がけで導引をしていたらしいが、かえって体を壊す者が多かったようじゃ。
導引と言うのは、元々は仙術の中の修行法で、導引をすることを『
しかし、わしの教える導引は、日常で出来る優しいもばかりじゃ。
わしは怠け者なので厳しい修行は無理じゃ。だから、わしの教える導引は、
『怠け者の導引』と言ってもいい。
歳を取っても出来るし、時間もそれほどかからない。それでいて効果は高いという優れものじゃ。
若くて元気な人は導引をしても、特に何も感じないかもしれない。導引は体の気血の流れを正常にするための行法じゃから、元々、正常な人はやっても何も感じないのじゃ。
しかし、体の気血の流れが悪くなっている人がやるとよくわかるはずじゃ。
気血の流れが悪いときは導引が良く効くと思っていても、気血の流れが正常になると導引をしても効かないと感じて、どうやれば効くのか分からなくなってしまうんじゃ。
毎日、コツコツと歯を磨くようにやるといいぞ。
虫歯にならないように歯を磨くように導引をする。虫歯になってしまうと、いくら歯を磨いても、もう歯は元にもどらないから、その時は歯医者じゃ。
導引も病気にならないようにやるもので、病気になってしまったら病院じゃな。
※行法をやって体調が悪くなっても自己責任でお願いします。
【月の
『月の行』とは、腕を肩より上にあげる導引のことじゃ。
月に向かって手を上げるんじゃ。
元々、人間は四足歩行だったのが二足歩行に変わった。神経の分布図を見ればわかるが、現代人でも神経が四足歩行の並びで入っている。
四足歩行なら歩くだけで首の気血の流れは正常になるが、二足歩行になると首と背中の付け根が渋滞してしまう。この流れを良くしてやるのに、腕を上げる『月の行』が有効なんじゃ。
日常生活で人のいる所では、腕を上げるということは、何かあったのかと周りが思うので、普通は腕を上げない。
しかし、腕を上げるということは、首や肩のコリを取るのに有効で、首より上の不調とも関係する。
腕を上げても大丈夫な環境なら大いに腕を上げるといいぞ。
わしは、ある日、心臓の動きがおかしくなって脈か時々打たなくなったんじゃ。
ドクン・ドクン・ドクン・ドクンと普通は心臓が脈打つんじゃが、
ドクン・ドクン・ーーー・ドクンと間が空く期外収縮というものになってな、病院にいったら危険なものではないと言われたが、心臓の動きがおかしのは嫌なものじゃ、寝る時に、妙に心臓の音が気になって、寝ている間に止まってしまうのではないかと心配になるんじゃ。
試行錯誤して首の迷走神経の不調が原因ではないかと思い、月の行・
肩・首が痛くなったときはニの型をよくやるし、パソコンで肩がこると月弓をよくやっていた。両手を上げて首を回すのもいいな。耳鳴りがひどくなってきた時もやっていたな……
【一の型】
・月に向かって弓を引く(
①姿勢は、イスに座っていても、立っていてもどちらでもいいです。できれば正座してやると足にも効きます。
②弓を持っている気持ちで斜め上に向かって手を上げます。もう片方の手は、弓を引くように後ろに引きます。
③首は、斜め上に上げた手を見るよう曲げます。
④左右交互に、ゆっくりとやります。
⑤首を手を上げた方と逆の手を引く方に向けます。
首を曲げることで自律神経を整え、福交感神経が働きリラックスできます。
【二の型】
・腕を上げる。
①足を肩幅に平行に開いて立ちます。
②右腕を上にあげます。
③右腕を下げて、左腕をあげます。
④右腕、左腕と交互にあげて、その時に首を曲げたり回したりします。
20分くらいやっていると肩や首のこりが楽になります。
【三の型】
・腕を回す。
①両腕を下から頭の上にあげます。(野球でボールを投げる時のように)
②頭の上にある手を横に広げながら、平泳ぎのように下におろします。
①→②を繰り返します。
頭の上に腕がある時に首を軽く回すのもよいです。
どうじゃ、簡単じゃろう?
しかし、簡単だからとあなどることなかれ。
この簡単なことをするかしないかで人生が大きく変わるかもしれないぞ!?
『心は肩にある』と言った仙人がいた。
肩が硬くなると心も硬くなる。言い得て妙じゃな。
おまけで、もう二つ肩の行を教えよう。
肩を上げる、落とす。
肩を回す。
これも簡単な行じゃが、実際に行を見たことがない者にとっては難解なんじゃ。
理解できるまで何年もかかるかもしれないが、それもまた一興。
縁ある者なら必ずや理解できるはずじゃ。
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