形に、永遠がない世界でも。
遠野 夜
想い
『永遠』
それは、この世界の形には存在しないもの。
だって、生き物はいつか死ぬし、地球もいつかなくなる。もっと言えば、宇宙もいつかなくなるんじゃないかって言われているから。
でも、それは形だけ。
目には見えないけど、人々の想いは永遠になくならない。
そう教えてくれたのは、今はもう形をなくした、君。
・・・君はすごいなー。本当に。
僕にも弱さを見せないで、辛くても辛いって言わないで、元気なフリ、してたんだよね・・・。
見抜けなくて、ごめん。
本当は、少し違和感はあったんだ。
大学を徐々に休みがちになっていったり、二時間に一回はポーチを持ってトイレに行ったり、君が大好きな大福やぶどうだってダイエット中なんて言って食べなかった。
でも僕はそんな君に大丈夫?なんて声をかけることをしなかった。
君は四六時中笑顔だから、きっと僕の考えすぎなんじゃないかって。
僕が鈍感すぎて、弱みも出せずに無理して、一緒に出かけてくれたりしてくれていたんだよね。
本当に、本当に、ごめん。
そんな僕に、君は優しく、いつも手を伸ばしてくれて、愛しそうな顔で僕を見てくれた。
最後に書いてくれた手紙にも、何回も「愛してる」なんて、書いてくれた。
君は、優しくて、綺麗で、弱くなっても強いままであり続けるようとする、素敵な人だ。
そんな素敵な人なのに、僕は、何も出来なくて……ごめんな。
でも、愛してくれて、本当にありがとう。
今はもう、君の形は永遠になくなってしまったけど、君の想いは永遠になくならないよ。
だって、君の想いと僕の想いは永遠に繋がってるって、君が言ってくれたから。
君と僕の永遠の想い。
そう、
『永遠の愛』を。
形に、永遠がない世界でも。 遠野 夜 @yoru_n
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます