12月18日(月) 士郎


 冬至が近づいているおかげで、仕事を終え駅へ向かうみちみちうえを見あげればすっかり夜空だ。都会の夜を彩るのは星ではなくって街のはでな電飾たちだが、この景色にももう慣れた。

 街はいよいよクリスマス気分で、行き交うひとたちがみな恋しているように見える。そんななかただひとり恋をしていない自分は異分子だ。士郎しろうは世界から取り残されているように感じた。


 土曜のパーティでは運命のひとは見つけられなかった。運命なんて言ってそんなものに責任を押しつけてるから恋が始まらないんだってことはうすうす感じているけどでもほんとの恋ってそういうもんだろ。という想いを捨てきれない士郎はじつはちょっぴりロマンチストだ。

 だが運命の星が落ちてくるのをただ待つだけでいるのはもうやめた。自分から運命をつかみにいくんだ、と士郎は顔を上げた。


 赤や白のまばゆい電飾がさんざめいて、クリスマスを楽しもうよと士郎を誘う。

 そうだな。できることなら、ひとりよりふたりで。


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