野戦糧食がなければチョコレートがあるじゃない

「少佐殿、大変です。フルダ要塞が包囲され食料があとわずかだとの連絡が」


「では我々が行って上空から緊急補給をする」


「我々の大隊は四十九名。大した量は運べません」


「いいや。チョコレートならばカロリー的に申し分ない。それに魔力増強にもなる。一石二鳥ではないか」


「……あの超甘チョコをいい大人が食べるとは思えません」



 ◇◇◇◇



「中佐、前回の計画はうまくいっているか?」


「司令、はかどってはいません。だいたい、殲滅のミハイルがどこにいるかもわかりません」


「航空基地にいないのか?」


「それが大抵出撃ポイントが、スイーツ店だとか貴族の邸宅だとか、チョコレート工場などから急速発進スクランブルしているのです」


「共通点を割り出せ。この連合王国情報部の名誉にかけてだ!」



 ◇◇◇◇



「司令官閣下。連合王国総司令部からの伝達があります。最優先命令です」


「なんだね、敵の大攻勢でもあるのかね」


「はあ、それが……。全基地の甘味を処分せよというものです。要請は情報部からのものだとか」


「何を言っている。最近の情報部も地に落ちたな。まるで甘味があるとその基地が襲われるといっているみたいに聞こえるぞ」



 ◇◇◇◇



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