異世界薬局にはエナドリがある
「失礼ですが少佐殿。このエグミのある飲み物は一体……」
「ああ。貴様らが疲れていると思ってな。差し入れだ」
「あ、ありがとうございます。なんだか魔力がよみがえった気がします」
「そうか、では深夜まであと八時間は訓練できるな。ならばさっさと退避訓練だ。私が追撃する。容赦はせんぞ。もっと働け!」
◇◇◇◇
「この要塞は鉄壁だったのではないのか?」
「中将閣下。それは額面値です。それに……」
「それになんだ?」
「わが帝国では下請け孫請け、ひ孫請けが常識。格安手抜き工事が平常運転で……」
◇◇◇◇
「クリニコフ卿。最近、きちんと休暇を取っているかね。たまには娘のナタリー嬢を連れて遠出でも行くがいい」
「ありがたいお申し出、感謝いたします。ですが革命分子の摘発にかかりきりで」
「そんなに大変なのかね。情報局のものを派遣しようか」
「大丈夫かと。娘のナタリーが二十人分の働きをしておりますので助かっております。一緒に働いておりますので毎日顔を合わせますゆえ」
◇◇◇◇
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