美しく微笑まれただけで勘違いをしてしまった僕は告白をしてしまう。当然のように振られる…だが未来では逆に告白されるような存在になる

ALC

第1話概要説明

学生時代の自分を思い出していた。

少し仲良くなっただけの女子生徒に、ただなんとなく微笑まれただけですぐに告白をしていた。

それぐらい恋人という特別な存在に憧れを抱いていたのだろう。

結果から言えば毎回振られていたのは当然のことだ。

相手は僕のことを深く知らない。

僕も相手を深く知りはしないけれど…。

それでも恋人が欲しかったのだ。

そこには邪な下心があったことだろう。

沢山の女子生徒に僕の邪な気持ちはバレていたと今となれば理解できる。

そんな生活を高校卒業まで繰り返した僕に恋人ができたかと言えば…。

断じてNOなのである。

僕は決してモテた学生生活を送ったわけではない。

バラ色でもないし灰色でもない。

曖昧で複雑な色や形をした何とも言えない学生生活だったのだ。

そんな僕も大学生になれば落ち着きを取り戻した。

取り戻したと言うと幼い頃は落ち着いていたと思われるかもしれない。

だがそれも断じて違うわけなので…。

僕は大学生になって初めて落ち着きというものを身に着けたのだろう。

少しの悟りを開いたかのように女性や恋人という特別な存在に執着をしなくなったのだ。

不思議なことに執着を捨てた途端にモテ期というものは始まる。

自分の強い願いや想いとは裏腹にそれを捨て去った途端に物事は始まったりするのだ。

けれどすぐにまたそれに飛びつくと痛い目を見ると直感が理解していた。

だから僕は大学生の間も特定の恋人を作らずにフラフラと交流を広めて様々な遊びの機会に顔を出していた。

結局、大学生の間も恋人は作らずに就職することとなる。

交流を広めたことにより縦と横の繋がりが広がって友人が沢山出来た。

一流企業の若手社長と友人になれたことが僕の人生で一番の転機だったかもしれない。

僕は彼の会社へと自然な流れで就職を決めると同期の中で特別扱いを受ける存在へとなっていく。

社長とは友人で面接も試験もなしに入社した僕を周りは自然と特別視していた。

学生時代とはガラッと変わった自分の待遇に満足感のようなものを抱きながら。

ここから僕のモテ期でハーレム気味な物語は始まろうとしていた。

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