七味
まだおばあちゃんが生きてた頃、
金魚鉢の中で 水面に横たわる、
死にかけた金魚を見て、
このままじゃ死んじゃうと、
私が泣きついたら、
七味をかけるといいと言われて、
金魚にかけたんだ。
そしたら金魚が、
息を吹き返したんだ。
元気に金魚鉢の中を、
泳ぎだしたんだ。
おばあちゃんが死んだ時、
私は七味をかけたかったよ。
おばあちゃんが生き返るように。
私に唯一優しかった、
おばあちゃんが生き返るように。
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