魔法使いの少年と南の島の消えた思い出
川崎ヒロト
第1話
魔法使いの少年と南の島の消えた思い出
南の島の不思議な暑い夏
小さな港街の風景、、
暑い夏の光りが差し込んで来る、、午後の港街、、、
僕は、いつも、空を見ているのが好きだった、、、
雲は、どこから来てどこに行くのだろう、、
それに乗ったらどこに連れて行ってくれるのだろう
鳥はいい、自分で好きなように飛べるんだから、、、
僕も翼があったら、、自由になれる
川崎拓実は空想の世界が好きな少年だ、、、
たくみは港近くの小学校に通っていた、、
周りの子達と少し違った感じの子だった
たくみは、飽きる事なくずっと、教室の窓から港が見える風景を見ていた
「大きな船が出て行った、、あの船はどこに行くのだろう、、、、あの、海の向こうには、どんな街があってどんな人が暮らしているんだろう、、、、いつかは、ぼくも大きくなってあそこから旅立つんだ」
よそ見をしていた、たくみに向かって先生が、、、
「おい、川崎、、黒板を見ろ、、、」
たくみはしょうがなく、、黒板を見た、、
「じゃあ、この問題が解ける人、、、はい、佐藤くん、、」
「はい、、、、だと思います」
「はい、正解です、、佐藤くん、ちゃんと復習してきたな」
たくみはまた、港を出ていく船に目を向けた
「川崎、、聞いているか、、また窓の外を見ている、、、お前はもっと、授業に集中しろ、、勉強は出来るのに、、、変わった奴だな、、、」
この様に拓実は他の子とずいぶん違っていた
ここは、九州の外れの島の小さな町だ、、
周りはほとんど海しかない、、、
それでも、子ども達は工夫をして色んな遊びを考える、、、
ところがたくみは変わっていた、、、
そんなことより、色んな本を読んでいた方が好きだった、、
とにかく不思議な物とか昔の事とかに興味があった、、
たくみは学校から帰ると、自分の部屋で、大好きな図鑑や、本を見ていた
「昨日、テレビで見た、博物館は凄い、、、何でこの街には博物館がないの、、、」
たくみは目を輝かせて、思った、、
「空を飛ぶ乗り物、、飛行機より、、あの飛行船の方が凄いよ、、あっ、これだよ、これ、飛行船だ、、」
たくみは古い神話なども興味があった
「昔は神様が、いて、みんなに恩恵を与えていたらしい、、、神様って魔法みたいな事が出来るのかな、、僕も、、魔法を使ってみたいな、、、、」
少しは子どもらしい発想を持っている、、、たくみだが、、、しかし気難しい子どもだった、、
森は不思議がいっぱい
日曜日、、、お昼過ぎ、、、
たくみの家の玄関の前で男の子が、、、
「こんにちは、、、こんにちは、、、たくみくん、、遊ぼう」
たくみのお母さんが、玄関を開けると
「あら、、たけしくん、、待ってね、、
たくみ、、ほら、たけしくんが遊ぼうって言っているわよ」
たくみは二階の部屋から大きな声で、、、
「え~、、今、良いとこなんだよ、、ほら、テレビに、この本と同じの飛行船が映っているんだ、、、すごいよ、、」
「たくみ、、部屋にばかりいないで少しは外で遊びなさい、、今日はもう、テレビはダメよ、、、」
「わかったわね、、、」
「、、、、うん、、」
たくみはいやいや、二階から降りてきた
たけしはたくみを見ると、、
「あっ、たくみ、、みんな裏の森で遊んでいるよ」
「何をしているの、、、」
「隠れ家を作っているんだ、、すごいよ、、みんなの秘密基地だよ、、」
たくみはあまり乗り気ではなかった
「ふ~ん、、、、子どもが作ったって大した物は作れないのに、、だったらせめて、縄文時代の建物、縦穴式住居ぐらい作らないと、外から丸見えだと秘密基地じゃないよ」
たけしは聞いたこと無い言葉に戸惑った
「なにそれ、、たくみくんはたまに変な事言うな、、、それより、、そこに、面白いものがあるんだ」
「なんだよ、、面白いものって、、」
「だから、行けばわかるよ、、、」
拓実の家から、、30分も歩くと、、森の入り口に着いた
たけしはどんどん森の奥に進んだ、、
たくみはその森が、大人もあまり入らない森だと知っていた
「たけしくんここは大人に入ったらいけないと言われているんだよ、」
「この森は、全部わかるよ、、、それに、
もうすこしだよ、、すぐそこにあるから」
「そうなの、、わかったよ」
2人は、20分ほど歩くと、みんながいる場所に着いた、、、
そこには、クラスの男の子4~5人がいた、全員で作った基地なのか建物の様に見える物があった
「あっ、来たぞ、たくみ、、やっときたな」
「どうだ、、凄いだろう、、俺達が作った秘密基地だぞ」
「たくみ、、、凄いだろう、、」
「、、、俺達が作ったんだぞ、、、」
「たくみ、、お前は物知りだ、、この秘密基地をもっとカッコいい基地にするにはどうすればいい」
たくみはそんな事より、その秘密基地の周りに違和感を感じた、、、、
たくみは秘密基地の横に倒れている、物に気がついた、、
「あっ、、、しんじ、、これお地蔵様じゃないのか、、倒れているぞ」
「いいんだ、、、、この秘密基地を作るのに邪魔だからどかしたんだ、、、」
「あっ、お地蔵様じゃない道祖神だぞ、、仕返しがあるぞ、、でも、本で見た、日本の道祖神とは違うみたいだ、、、何でこんな所にこんな物が」
「たくみ、、ただの、、お地蔵様だ、、何の力もない」
たくみはそれでもその道祖神から、、強い気を感じた
「みんな、、この強い、、気を感じないのか、、、あの倒れている道祖神から、凄い気を感じる、、僕がおかしいの、、、」
たくみは、その事はみんなには内緒にした
「ねえ、たけしくん、、、さっき言っていた面白いものって何だよ」
「たけし、、、もうしゃべったのか、、、
たくみ、、見てみろ、、凄いだろう」
「俺達が見つけたんだ、、」
「うるさい、、みんなで見つけたんだろう
たくみ、、これ、いいだろう、、」
そこには、きれいな石で出来た剣
の様な物と、古い土偶の様な物があった
「たくみ、お宝だ、、変な人形もあるけど
それに、、この剣みたいな物にきれいな石が埋め込まれているだろう、、カッコいいだろう、、、」
「これは、、僕が知ってる古い日本の物じゃないよ、僕が持っている図鑑にもこんな物は載っていない、」
「外国の物、、いや、この世界の物じゃない気がする、どうしてこんな物がこの島にある、、石が光って見えるけど」
たくみは、その石を、ずっと見ていた、、
不思議な宝物、、
「しんじくん、、、これは、元の場所に戻した方がいいよ」
「何だよ、たくみは、、呪いとかそんなのが怖いのか、、」
「いや、、、ただ、嫌な感じがする、、あの道祖神だってちゃんと元に戻さないと」
「大丈夫だ、、この剣は、この基地の守り神だ、、、おい、、また基地をもっと大きくするぞ、、」
「たくみ、、まだ変な物がいっぱいあるぞ、こんなものもあるんだぜ」
しんじが、たくみ、の目に前に小さな銅像の様な物を出した
「この森はお宝が一杯あるぞ、、、この基地が出来たら、、また探すんだ」
たくみ、はその銅像の周りに黒い嫌な物が、まとわりついている様に見えた
ただ、その事をみんなに言うと、変な目で
見られると思い何も言わなかった
それからまた、少年達は、基地作りを始めた
たくみも、、例の銅像や道祖神の事など
いろいろ気になったが、、基地作りを手伝った、、、
「たくみ、、これでいいのか」
「そうだな、、もう少し上の方にやった方がいいよ」
少年達は、時間を忘れて、作業にかかった
しばらくすると辺りは薄暗くなっていた
「ねえ、、しんじ、、もう暗くなったよ、、俺、、母ちゃんに怒られるぞ」
「えっ、、もうそんな時間か、、まだ全然
出来ていない、、俺も母ちゃんに怒られるから、今日は終わりだ、、みんな、、明日も放課後ここに集合だぞ」
少年達は薄暗い森の道を急いで駆け抜けると
森の外れに着いた
「たくみ、、明日も来いよ、、絶対だからな、、、」
「たけし、、お前がたくみを連れてくるんだぞ、、」
「わかったよ、、」
たくみが家に着く頃は、辺りはずいぶん暗くなった、、、
田舎の小さな町だ、、開いてるお店もそうない、、夕方になると、薄暗い街灯の明かりが照らすだけで余計暗く感じた
「お母さん、、ただいま、、、」
「あらあら、、珍しいわね、こんなに遅くまで遊ぶなんて」
「怒っていないの」
「えっ、どうして、、、子どもは元気で外で遊ぶものよ」
「そうなんだ、、、」
「さあ、、お風呂に入って、、すぐに夕飯よ、、、」
「はい、お母さん、、、」
「それにしても、、たけし達はなぜ、あの、道祖神とか掘り出した物の、変な気配を感じないのか、、不思議だ、、、ああ、、温かい、、お風呂はいいいな、、、」
「ほら、、たくみ、早く出て、ご飯を食べてよ、、、」
「はい、お母さん、、、、もう出るよ」
晩ごはんを終えると、たくみは自分の部屋で
本を見ていた
「やっぱり、、しんじ君達が、探した物はどの本にも載っていない、、昔の日本の物じゃないんだ」
「でも、どうしてあんなところにあるのか」
「あっ、、そう言えば、あの剣みたいな物に着いてた石みたいな物の欠片を拾ったんだ」
たくみは机の上の石の欠片を手に取った
「これは、普通の石かな」
たくみは石の欠片をずっと見ていた
「何もおかしいことはない、、普通の石かな、、、さっきは光って見えたのに、、
気のせいなのかな、、、」
「たくみ、、、もう9時過ぎているのよ
寝ないと明日起きれないわよ、、、、
あんたは本当に寝起きが悪いから」
「わかったよ、、お母さん、おやすみ」
「寝起きが悪い、じゃないよ、、寝つきが、悪いんだ、、、気になる事があると、全然
寝れないよ」
「よし、、この、百科辞典でも、見れば寝れるかもしれない、、、ええと、、、伝説の
人物、、日本の神話、、へえ~、、、
凄いや、、、」
たくみは、ますます寝れなくなった
始まった異変、、異世界
次の日の朝、、
「たくみ、、、あんたはまだ起きていないの、、、あっ、、また本を見てたのね、、
だから早く寝なさいと言ったのに」
「、、、、もう、朝なの、、、眠い」
「ほら、、早く、朝ごはんを食べて、、遅刻するわよ」
「、、、はい、、、」
テーブルの上には朝食が用意されてた
「たくみ、、、残さないで全部食べるのよ」
「えっ、、お腹すいていない、、」
「ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」
たくみが学校に着くと、、パトカーが止まっていて学校は大騒ぎになっていた、、、
大騒ぎの原因を、たくみはクラスの友達に聞くと、、、
「ねえ、、どうしたの、、」
「あっ、、たくみ、、昨日の夜、しんじくんとたけしくんがいなくなったみたいだよ、
お母さんが朝、起こしにいったら、消えていたって、、」
「、、、えっ、、」
たくみは昨日の嫌な予感がよみがえった
大騒ぎになった学校は、臨時休校になった
たくみは急いで家に帰ると、、昨日の森に向かった、、、
森の秘密基地、、、、、
たくみは目の前の光景に驚いた、、
「えっ、、あの、、ぼやけた空間はなんだ、、何かの入り口なのか、、、」
たくみは恐る恐る、そこに入って行った
中は霧が渦巻く様で先が見えない、、しばらく進むと、、、
たくみは周りの雰囲気が変わったのに気がついた、、先の方に光が見えた、、
光の先の景色に、たくみはまた驚いた、、、
「えっ、、、僕の住んでいる町じゃない、、ここはどこだ、、、」
たくみは、嫌な感じがして、空を見た、、
空には見た事がない竜が飛んでいた
「えっ、、あれは、、図鑑で見た、プテラノドンか、、大昔にタイムスリップしたのか」
たくみは木陰に隠れてもう一度見た、、
「えっ、違うぞ、、あれは、ファンタジーアニメで見たワイバーンだ、、、え~、ここは異世界なの、、」
ワイバーンの先に昼間なのに2つの月が見えた、、、、更に空に浮かぶ島も見えた、、、
「、、、えっ、まずいよ、、戻らないと、、」
たくみが後ろを振り返ると、先ほど出てきた出口は消えていた
たくみは焦って、何も考えられない、、
「僕は、、どうすればいいんだ、、、」
すると、、たくみの頭の中に男の人の声が聞こえた、、、
「おい、、ワシの声が聞こえるか、、、」
たくみは周りを見たが、誰もいない、、
また男の人の声が、、、
「おい、、お前、、ワシは直接お前の頭に神術で話している、、、ワシの気も弱くなってあまり感じないのか、近くにいるのに」
「え~、神術って、魔法みたいなものですか、、、」
「そうだな、、ここは魔法の世界だから」
「やっぱり、、僕は、異世界に来てしまったんだ、、、もしかして死んだの、、転生したの、、、」
「おい、、死んではいないぞ、、ワシの話を聞け、、お前、、洞窟の近くにいるだろう、」
たくみは、周りを見ると、、洞窟の入り口を見つけた、、、
「あそこなの、、、、あの洞窟に何かあるの、、」
「そこにワシはいる、、どうも、お前とは会わないといけない運命があるみたいだ、、、良い気を持っているな、早く、洞窟に入って来い、、、」
たくみは恐る恐る、洞窟の中に入って行った
洞窟の中に、、不思議な男が、、、
たくみは気味の悪い洞窟を進んだ、、、
その、奥の方に、なにやら具合の悪そうなお爺さんがいた、、、
たくみはそのお爺さんのに近ずくと、、、
「ええと、、さっき話したのはあなたですか、、、、」
お爺さんは少し苦しそうな顔で、、、
「そうじゃ、、ほう、、ワシが思っていたとおりだ、、、良い気を持っている、、、、、最後にこんな良い気を持った者に出会えるとは、、、ワシはついているぞ、、」
「えっ、、お爺さんは誰ですか、、」
「、、、ワシは、この世界を創った者じゃ」
「、、、、えっ、、わからないよ、、」
「まあ、、お前達の世界で神と呼ばれている者じゃ、、、」
「え~、、お爺さん、神様なの、、」
「ああ、そうだ、、この洞窟は天界と異空間でつながっている、、、」
「お前は、名はなんと言う、、、」
「ええと、、たくみです、、」
「ほう、、たくみか、、」
「たくみはどうしてこの、魔法の世界に来たんだ、、、」
たくみは今までの経緯を話した
「ほう、、、昨日から時空の乱れが激しいと思っていたけど、、ワシの終わりの時間まで邪魔するとは、、、」
「え~、、神様にも終わりがあるの、、」
「そうじゃ、、今、ワシの終わりが近付いている、、他の神には知られたくない、」
たくみは、うなずいて聞いてた
「たくみ、、神術は興味があるか、、」
「えっ、、神術って、魔法みたいな物なの、男の子だったら興味があるよ」
「そうか、、じゃあ都合がいい、、」
たくみは神様が何を言っているかわからなかった、、、
神様なら、昨日からいなくなった、、たけしくんとしんじくんの事がわかると思い聞いた、、、
「たくみ、友達はお前と同じようにこの世界に来たか、もしくは連れさらわれたか、、もっと詳しく話してくれ、、、」
たくみは、昨日の森での事を詳しく話した
すると神様の顔色が変わった、、、
「そうか、、、すまない、、少しだけワシも関わっているかもしれない、、、」
「えっ、、神様が関係あるの、、、」
「たくみ、、、その道祖神はワシが封印した者の見張りじゃ、、二度と悪さをしないように封印したのに、なぜ、たくみ達の世界に現れたのか、、、わからないぞ、、そしてたくみが言った、小さな銅像、、それは邪神パズズだ、、奴が復活してお前の友達をさらったかもしれない、、、奴なら異世界転移魔法が使える、、またこの世界で暴れるつもりか」
たくみは驚き不安になった、、しんじくん達はそんなに悪い奴にさらわれたのかと思った
たくみはこの神様なら助けてくれると思い、
聞いてみた、、、
「あの~、、神様、お願いします、しんじくんとたけしくんを助けて下さい」
神様は、困った顔で、、、
「すまない、、たくみ、、ワシはもうここから出る事は出来ない、、さっきも言ったが、終わりが近いぞ、、、」
「えっ、、じゃあ、しんじくん達を助ける事が出来ないの」
神様はたくみの頭をなでると、、、
「たくみ、、お前が友達を助けるんだ、、」
「えっ、、神様、僕にはそんな力はないよ」
「ワシの最後の気をお前にあげるぞ、、そうすれば、神術が使える」
「え~、、僕は魔法使いになるの、、、」
「そうだ、、その神術を使って、邪神パズズから、友達を助けるんじゃ、、」
たくみは魔法って呪文がいるはずだと思った
「神様、、僕は魔法の呪文なんて知らないよ、、、どうすればいいんだ、、」
「たくみ、、心配するな、、ワシがお前の中にいる、、全部教えるぞ、、、」
神様はニッコリと笑った、、、
神様は最後の力を振り絞って立つと、、
「さあ、たくみ、、時間がない、、ワシと手をつないでくれ、、」
たくみは恐る恐る、神様の手を触った
神様の体が少しずつ輝きだし、、たくみの体に何かが入っていく感じがした、、、
神様とたくみの体はしばらく輝いて、、、
その輝きが収まると、、そこにはたくみ1人しかいなかった、、、
「えっ、、神様が消えた、、、」
「たくみ、、安心しろ、、ワシはお前の中にいるぞ、、、」
「えっ、、頭の中に、声が、、、」
魔法使いになった少年、、、
「神様、、この後、僕はどうすればいいの」
「そうだな、、、まずは、邪神パズズとお主の友達がいる場所を探さないと、、」
「この世界は、広いでしょう、、簡単に探せるの、、、」
「ああ、、たぶん、たくみ達の世界と同じくらい広いぞ、地上界だけではなく、、天界、、魔界、冥界などもあるからな」
たくみは目を輝かせて、、、
「すごいよ、、、ファンタジーアニメで見たのと同じだ、、魔族や怪物もいるの」
「ファンタジー、、、なんだそれは、、、魔族や怪物はいるぞ、、地上界にも、、多くの種族がいる、人族以外もな、、」
「え~、、そうなんだ、、凄いや、、」
「たくみ、、早く邪神パズズを探すぞ、、ワシは奴の魔力波動を知っている、、神術、広範囲探索と念じろ」
たくみは自分なりの呪文を念じた
「魔法の方がカッコいいよ、、、探索魔法、広範囲、、、」
「たくみ、、神術だぞ、、、まあいいか、」
すぐに邪神パズズの魔力波動を見つけた
「おお、、いたぞ、、邪神パズズ、、、、
奴はここから遠くの国、、エドガー王国の北の森にいる、、、ここはワシが昔邪神パズズを封印した場所じゃないか、、、、ほう、、奴の近くに人族の気配も感じる、、たくみ、、お主の友達は生きているぞ、、」
「そんな遠くの国にしんじ君達はいるの、、、」
たくみは一安心した、、、
「良かった、、しんじくん達は無事なんだ」
「たくみ急がないと、、奴は気まぐれで生かしてるかもしれない」
「神様、、次はどうするの、、、」
「飛んで行くと、時間がかかる、、空間移動だな、、、神術、、空間の狭間と念じろ」
「じゃあ、、魔法、瞬間移動でいいや、、」
「またか、、、」
たくみの、周りの空間が歪み、、たくみは異空間に消えた、、
エドガー王国、北の森、、、
森の中の空間が歪み、異空間からたくみは現れた、、、
「わあ~、、凄いや、、本当に移動できた、魔法が使えたよ、、」
「当たり前だ、、ワシの神力があるのだから、、、」
「もう、、魔力で良いのに、、」
「たくみ、ここからは気をつけてくれ、遊びじゃないぞ、、」
「そうだね、夢じゃない、現実だよね」
「たくみ、、念のためじゃ、防御神術、神のご加護を念じろ」
「じゃあ、、シールドの魔法、、、」
「お前は、、、ちっともワシの言うこと聞かない、、、」
たくみの体は透明な膜の様な物でおおわれた
「わあ~凄いや、、ちゃんと発動したよ」
たくみは霧のかかった場所を進むと、不思議な神殿を見つけた、、、
「たくみ、ここの中に邪神パズズはいるぞ」
「神様、わかったよ、、神様の気のせいか
僕にも、あいつの嫌な魔力は感じるよ、、やっぱり、あの銅像が放っていた気だ」
「さてと、、ワシの気は漏れない様にしてあるから、たくみお主の小さな気しか感じないはずだ、、邪神パズズを見つけるぞ」
「わかったよ、、神様、、」
たくみは、神殿に入って行った、、、
「ああ、、ここの装飾品はあの森でみた物と似ているぞ、、」
「全部周りの物も転移魔法で移動したんだろう、、、、やつの封印が弱くなって、お前達の世界に移動して、更に封印が解ける何かがあったのか、、、」
たくみは、しんじくん達が道祖神を倒したから邪神パズズの封印が解けたと思ったが怒られると思い黙った、、、
たくみは更に、奥の方に進んだ、、、
通路の先に大きな扉があった、、、
「たくみ、、この先に邪神パズズがいるぞ、気をつけろ、、、」
「はい、、あの~神様、、どんな魔法で攻撃をするの、、」
「神術だ、、、全て私が作った物だ、、、、たくみ、ワシが言ったとおりにすればいい」
邪神パズズとの決戦、、、
たくみは扉を開けた、、、
大きな空間の中央に邪神パズズがいた、、
その横には魔法の鎖につながれて動けないしんじくん達がいた、、、
「なんだ、、おい小僧、、お前はこいつらの仲間か、、、」
「あっ、、たくみ、どうやって来たんだ」
「逃げて、、たくみまで捕まってしまうよ」
「しんじくん、たけしくん、今、助けるからね、、待ってて、、」
「あいつ、、助けるって、どうやって、」
「うるさい、、、ワシから逃げられると思うな、、、、」
邪神パズズは魔道具の様な物を出した、、
「たくみ、、逃げろ、、俺達はその変な物に吸い込まれてここに連れて来られたんだ」
邪神パズズは何かの呪文を唱えた、、、
すると、水瓶の様な魔道具は辺りを吸い込み
始めた、、、
「さあ、、お前もこの中に吸い込まれろ」
「神様、大丈夫なの、、」
「ああ、、全然、大丈夫だ、、さっきの神術、神のご加護で防げる」
「ええと、、、シールドの魔法ね、、」
「、、、、たくみ、、、以外と冷静だな、」
水瓶の魔道具の効果はたくみには効かなかった、、、
「えっ、、なんだ、あの子どもは、、ワシの魔道具が効かない、、どういうわけだ、、、じゃあいい、、この場で倒すぞ、、」
邪神パズズは最大魔法、、大炎球、、を唱えた、、、
大きな火の塊がたくみに向かって飛んできた
「神様、今度はどうするの、、」
「あわてるな、、、神術、、神の戒めと念じろ、、」
「わかった、、魔法、、神の戒め」
「、、、、」
たくみの前に異空間が広がり、火の塊を全て飲み込んだ、、
「えっ、あの子どもは魔法使いなのか、あの魔法は賢者レベル以上だぞ」
「たくみ終わらせるぞ、、、神術、霧の覇王、、」
「ええと、、魔法覇王の魔の霧、、」
「、、、もう、何でもいいぞ、、」
パズズの周りに神々しい霧が漂って、、邪神パズズを飲み込んでいった
邪神パズズは悲鳴と共に消えていった
するとしんじ達を捕らえていた魔法の鎖は消えて、しんじ達はたくみの元に走って来た
「たくみ、今のはなんだ、、魔法か」
「お前、本当にたくみか、、、」
「たくみだよ、、この世界で知り合った神様がやったんだ、、」
「さてと、たくみ、お主達の世界に帰そう」
「えっ帰れるの、、みんな、ボク達の世界に帰れるぞ」
しんじとたけしも驚き喜んだ、、、
「たくみ、、これでお別れだ、、向こうの世界に帰ったらこの事は全部忘れるだろう」
「えっ、じゃあ魔法は使えないの」
「わからないが、ワシはたくみの中にいる、いつの日かまた神術が使えるかもしれない」
「たくみ、、最後の神術だ、、、神術、、
異世界の狭間、、、」
「神様、、ありがとう、、、魔法、、異世界転移」
「お主、、最後まで、まあいいか、、また、この世界に来るがいいい」
たくみ達の周りに白い霧の様な物が広がり
遠くの方で静電気の弾ける様なパチパチと音が聞こえて、、、、
穏やかな元の日々、、
たくみ達は気がつくと、森の秘密基地にいた
たくみは辺りを見回すと、、
「あ~、しんじくんとたけしくんがいた~」
しんじとたけしは起きあがると、、
「あれ、、たけし、俺達、ここで何をしていたんだ、、」
たくみは二人に、、、
「ねえ、、学校中、大騒ぎだよ、昨日からいないって、、」
「えっ、、そうなの、、、えっ、昨日から、俺はちゃんと部屋で寝ていたぞ」
「しんじ、俺だって寝てたぞ、、」
「でも、しんじくんとたけしくんのお母さんが二人がいないって学校で騒いでいたよ」
「たけし、まずいぞ、、母ちゃんに怒られるぞ、、、」
「しんじ、、早く家に帰ろう、、」
しんじくんとたけしくんはそれから、警察や親に怒られたみたいだ、、、
少し僕の記憶もあやふやだった、、、、
何か抜けているような、、、
ただ、あの秘密基地から、色んな物が消えていた、、変な剣、、変わった石、おかしな銅像、、更に道祖神のようなお地蔵様も、、
そしていつもの日々が始まった、、、
たくみは、相変わらず、教室の窓から港の風景や空を見ていた、、
「ああ、、鳥は良いよな、、自分で好きな場所に飛んで行けるから、、僕も魔法でも使えたら色んな所に飛んで行きたいよ」
するとたくみに誰かの話し声が、、
「そうだな、、たくみ、お前が大人になったら叶うかもしれないぞ、、」
「えっ、、誰、、今話しかけたの、、」
「おい、たくみ、、よそ見するな」
穏やかな南の島の午後であった、、、
END
魔法使いの少年と南の島の消えた思い出 川崎ヒロト @hajimehiroto
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