彼女の尻に敷かれたい。

第2話：憧れのイケメン彼女。

「そ、じゃ〜私が答えてあげる」

「私と付き合ってほしんだよね・・・うん、いいよ付き合ってあげても・・・」

「え？・・・まじで？」

肩透かしをくらった気分。

「なに？・・・そう答えてほしかったんじゃないの？」

「そうだけど・・・本当にいいの？・・・かな？」

「正直言って断られるかと思ってた？」

「なに・・・断られるって思ってながら告ったの？・・・バカね〜」

「なんで断られるって思ったの？」

「いや〜京町さん、僕みたいなタイプ一番ダメなんじゃないかって・・・」

「軟弱だから？、男らしくないから？、草食系だから？」

「いや、そこまで言ってないけど・・・そういうタイプ嫌いかなって思って」

「なんでよ・・・私の好み勝手に決めつけない」

「そうだね、まあ確率的に言って普通なら断られるってパターンだよね」

「じゃ〜なんでいいよって？」

「断られなかった理由？・・・それは・・・私も中野くんのことが好きだから」

「うそお〜・・・」

「それ以上の理由ないでしょ」

「私ね、頼りなさそうな男子ってたまらなくマストなの」

「それに芳樹、ちょっとなにわ男子の誰かさんに似てるし・・・」

「あ〜それは・・・たまに言われる・・・」

「って言うか・・・意外・・・」

「マストって・・・ああ〜・・・美都ちゃんそうなんだ？」

ってことで青天の霹靂・・・棚からぼた餅・・・思わぬ展開。

結果オーライだったけど未だに信じられない。

でも、よかった・・・これからは京町さんとタメでしゃべれる・・・。

「一緒に帰る？・・・私んちと中野くんち同じ方向でしょ」

「え？一緒に帰る・・・の？」

「私とじゃ嫌なの？・・・人に好きだって告っといて？」

「他の生徒に見られたらと思って・・・」

「なに？・・・なにそんなこと気にしてるの・・・堂々としてたらいいのよ」

「どうせ、明日には私と中野くんのことクラス中に知れ渡ってるわよ」

「別にいいじゃん知られたって」

「他人の目を気にして恋愛なんかできないよ、中野くん」

「さ、帰ろ」

幸いにも僕の家も京町さんの家も同じ方向。

で、その日から帰りはふたり・・・あれこれしゃべりながら仲良く帰った。

まだ少しぎこちないけど・・・それでもいい。

積極的な京町さんは、なんのためらいもなくさっさと僕と手をつないできた。

彼女の中に恥ずかしいとか遠慮とか世間体なんて言葉はないんだ。

僕と違って性格がはっきりしてるよね。

剣道やってるだけに　清廉潔白、単刀直入、それに青天白日・・・。

彼女は、まるで澄み切った青空に輝く太陽のように僕には眩しかった。

その夜、僕は彼女のこと想って眠れなかった。

憧れのイケメン女子を彼女にできたことの喜びでテンションが上がっていた。

僕も思春期の男子・・・性的欲求は普通にある。

でも美都ちゃんに限ってはそういう思いは持っちゃいけないと思った。

そう言う考えは不潔って言うか不道徳って言うか・・・。

自分の彼女には身も心も汚れなく綺麗でいてほしかった。

でもひとつだけ・・・尻フェチの僕にとって京町さんの可愛いお尻は絶対領域。

そんな彼女の尻に僕は思い切り敷かれたい。

つづく。