幕間 それぞれの主張
アイドル高島美優の主張(美優視点)
シュウ君の彼女、ひいては生涯の伴侶に一番ふさわしいのは誰か。
そんなの私に決まってる。
物心ついた時からずっと一緒で、関係を築いてきた。
私はシュウ君しか見てこなかったし、そこに後悔なんて微塵もあるわけない。
シュウ君の良いところも悪いところも全部知ってて、それを全部受け入れられる準備もある。
生まれてからこの十八年間、私は一瞬だってシュウ君のことを考えなかったことはないと言ってもいい。いつだって私の一番はシュウ君で、シュウ君の一番は私だったはずだ。
幼馴染としての信頼関係も、年の近い子供同士の友情も、そして男女の愛情も。
全部全部私とシュウ君で育んできた。
そこに他の人が入り込む余地なんてない。
二人には内緒にしてたけど、この際言っちゃおうか。
私、シュウ君とお付き合い始めたから。
この間シュウ君の部屋で告白して、オッケー貰ったの。
私たち、改まってこういう話はしたことなかったけど、私は知ってるよ?
有紗も玲ちゃんもシュウ君のこと好きだって。
そんなの見てたらわかるもん。私がどれだけシュウ君のこと好きだと思ってるの?
シュウ君のこと好きな女の子なんて、パッと見たらわかるんだから。
でもね、私は二人がシュウ君のこと好きだってわかってもそのままにしてたよね?
……あ、ごめん。玲ちゃんには一回釘を刺したことあったっけ? あの時はちょっと、いつもはクールな玲ちゃんがクールじゃなかったからさ。
まぁ、そんなこともあったけど、今まで二人がシュウ君と何してようと私は何もしなかったよね。
それはね、シュウ君に嫌われるのが怖かったからだよ。シュウ君に少しでも嫌われたら、シュウ君の恋人になって、妻になって、子供を作って、一緒のお墓に入るっていう私の夢が崩れちゃうと思ってたから。
でもね、私はもうシュウ君の恋人になったの。
これがどういうことかわかる?
――私はもう、有紗や玲ちゃんの行動を止める権利を得たの。
だって私、シュウ君の彼女だよ? シュウ君に他の女の子が近づくのを止めたって、何も不自然じゃない。むしろ当然の行動だよね?
昨日だって、そう。
有紗、シュウ君に告白しようとしてたよね?
ニブチンのシュウ君も、私っていう経験があるからたぶん気付いてたよ。有紗が告白しようとしてたこと。
でも、私が途中で割り込んだよね?
シュウ君、有紗の告白に割り込まれても怒らなかった。
それはね、私がシュウ君の彼女だからだよ。
シュウ君の彼女はただ一人。この私。
当たり前だよね? 日本は一夫一妻で、恋愛は早い者勝ちなんだから。
でも、私も鬼じゃないから。
二人が言いたいことがあるなら聞いてあげる。
シュウ君の彼女として、ね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます