無敵人間の作り方

段ボールさん

第1話 日常


窓から光が差し込み、朝のニュース番組が流れる。

他の学生や社会人は、着替えて通学 出勤の支度を始め家を出るのだろう。

俺は、そんな事を考えながらもアラームを消し、

二度寝をする。


ピピピピ‥

「うるさいな」

通知が鳴り、携帯を開くと

《宗也、今日も行かないの?》J( 'ー`)し

親からのメッセージだ。

そうか、もうそんな時間か。

今日はバイトあるし、行かないとか。

行きたくないなぁ。

そう思いながら、準備をして家を出て最寄り駅まで向かう。


駅に着き、ホームに入って電車を待つ。

遅延でもしないかな。

まぁ、そんな淡い期待と裏腹に電車がやってきた、俺はがらがらに空いている席に座り、学校の最寄り駅まで寝る。


(まもなく、漁宮駅。まもなく、漁宮駅

The next stati…)

どうやらそろそろ着くみたいだ、やはりこの時間は人が少なくていいな。

俺は最寄り駅で降りて、学校に向かう。

どうせ学校に行ってもクラスでは、

「来たよ、あいつ」「来なくて良いのにな」

「病院帰りか」「傘山って何でいるんだろ」などと聞こえる影口を叩かれるだけなのに。

校門に向かうと、巡回の先生が居た。

「おはよう、遅いぞ、もう何回も言わせるな、もっと早く来いよ」

先生はどこか、ぶつぶつと言い続ける。

巡回の先生は、他生徒には陽気に優しく接するが自分にはなにかと冷たい。

まぁ、そんな事はどうでもいいや、教室に向かうか。

「あと3分で授業終了か、トイレで乗り過ごすか」

俺は授業中には、教室に入らない。

静まってる授業中に入ると、余計に目立つので、教室が騒がしい休み時間に教室に入る。


キーンコーンカーン…

よし、チャイムが鳴ったな休み時間に教室に入るか。

やはりわーわー騒いでいる、動物園かよ。

まぁ、この時間なら目立たずに入れる。

「面倒だな‥授業」

まぁでも、どうせ寝るだけだし良いか。


「起きろ、起きろよ」

なんだ、もう六時間目も終わったのか。

「はぁ、お前は何の為に来てるんだ、早く帰れ」

担任が呆れた顔でそう言う。

まぁ、とりあえずバイト行くか。

俺は学校を出て、電車に乗る。

「おつかれ!傘山くん」

「あっ、お疲れ様です、坂牧先輩」

この人は坂牧先輩、一つ上のバイト先が同じ先輩だ、この人は俺に優しく話しかけてくれていて俺の数少ない信頼している人だ。

「今日もお互い、バイト頑張ろうな!」

「はい、頑張りましょう」

今日初めて優しい言葉が飛んできた。


よいしょと、なんだか今日は結構繁盛しているな。

「傘山くん、A卓の網交換ついでにこれ」

「はーい、あっ」

バリン‥‥

「やべ、やらかした」

料理を落として、皿を割ってしまった、やってしまった。

「大丈夫大丈夫、俺も手伝うよ」

「あっ、すいません、ありがとうございます。」

俺のこんなミスも助けてくれる。

やはり坂牧先輩は尊敬できる。


そしてバイトを終え、

「坂牧先輩、先程はありがとうございました。」

「いや大丈夫だよ、誰でもミスはするよ、次からは気を付けよう」

「すいません、ありがとうございます」


「お疲れさまです」

俺は店から出て帰路に着く、坂牧先輩は少し残るらしいから、先に帰っている。

帰ったら、もう眠いしすぐ寝るか。

「‥え、あれ、鍵‥‥」

やっべ、家の鍵を店のロッカーに忘れた、まだ店には坂牧先輩が残っているし取りに戻るか。


‥‥良かった店内は明かりがついている、扉も開いている、ロッカーに向かうか。

なんだ‥話し声か?

隣の部屋から話声が聞こえる、この声は坂牧先輩と店長か。

何を話してるか気になるし、少し聞き耳しよう。

「店長、さっきは大変でしたね。」

「あー、本当にだよあれで何回目だ」

「あいつはミスが多いし、なんであんなの雇ったんすか」

「あぁ、確かに無能だが、あいつは少し無理が利くからな、先週は週5でシフトに入らして給料は他より3割ほど引いても何も言い返さないからね、

仮に何か言い返して来ても、即解雇にするからね」

「なるほど」

「君こそ何であの無能に優しく接してるんだ」

「あいつ、少し優しく接するだけで馬鹿みたいにペコペコするし、この前は親が倒れたって嘘をついてシフトを代わってもらって、まぁ、その日はただ遊びに行っただけなんすけどね」

「ほほぉ、店長としては、聞き捨てならん事が聞こえたが、まぁいいや、君も悪い奴だねぇ」

「ははは、あんな何も出来ないような無能は利用できるっすよ」


‥‥え

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