第19話 初デート

 もなに告白してから寝て朝が来た。

 嬉しさのあまり寝れなかった。それはもなも同じだった。


 さとるが学校の準備をしていると、りのがさとる部屋にやって来て熊のキーホルダーを渡してきた。


「なんだこれ。」さとるがそう言うとりのが答えた。


「私がもなちゃんと一緒につけようと思って買った熊のキーホルダーだよ。渡しそこねてたんだよね。私もつけるの忘れてたし、どうせだったらさとるともなちゃんがお揃いで付けなよ。さとるには、可愛すぎるけど」

 さとるはそれを見て驚いた。

「これ確か高くなかったか?」さとるが返答した。


「さとる知ってるの?」流行に疎いさとるが知っていてりのは驚いた


「知ってるも何ももなが欲しがってたやつだ。」さとるが言うとりのは嬉しそうに言ってきた。

「まじか。丁度いいじゃん。」


「ありがとうな。」さとるはりのにお礼を言って熊のキーホルダーをもらった。


 朝玄関でさとるともなは二人で学校に登校した。


 りのは空気をよんだのか後で行くと言っていた。


「おはよう。」

 2人は照れ臭そうにマンションの玄関で言った。


 学校に登校してる時、さとるはキーホルダーを渡した。


「これりのからの贈り物なんだけどさ。二人でつけようぜ。」さとるが嬉しそうにそう言うともなも嬉しそうに答えた


「これ欲しかった奴だ。りのちゃんにお礼言わなくちゃ。」もなはそう言ってカバンにその熊のキーホルダーをつけた。さとるもカバンにつけた。


「いい感じだね。」もなは嬉しそうに言った。


「そうだな。」さとるも嬉しそうに返事をした。


 そうしている間に学校に着いた。


 教室に行くと高橋がさとるの席に来て昨日の下校時の事を聞いてきた。


「昨日はどうだったんだよ。楽しかったか。あんな人前で普通叫ぶか?」


「だってそうするしか、もなとフォークダンス踊れなかったし。」さとるがそう言うと高橋が言ってきた。


「今が一番楽しい時期だぞ。浮気とか考えるなよ。」そう言われるとさとるはお前が言うなと言った。


 高橋は反省していた。


 後からりのが登校してきてさとるはりのに言った。


「もながキーホルダーかなり気にいってたぞ。お前にありがとうって言いたいそうだ。」


「そうなんだ。それはよかった。また会った時に直接聞いてみるよ。」りのはそう言ってさとるは席に座った。


 授業も終わり。さとるは、バイト先に向かった。


 バイト休憩中いつもよくしてくれている大学生のバイトの人と話していた。

「そういえばさ。相原くんさ。今度俺の友達が合コンするんだけど来る?高校生もくるよ。」


「俺最近彼女できたんでいけません。誘ってくれてありがとうございます。」さとるは断った。


「そうなんだ。おめでとう。いつも来てくれる可愛い女の子たちの誰かでしょ。」大学生の先輩がそう言うとさとるは照れながら答えた。

「あんまり来たことはないと思いますよ。ちょっと年上の。」


「あ、あの子か。確かに一番可愛いもんな。そういう事なら頑張れよ。」大学生の先輩は納得し、応援してくれた。


 そんな会話をしていると休憩も終わり、仕事に戻った。


 バイトが終わったさとるは家に帰っていた。


 マンションのエレベーター前でさとるともながばったり会った。


「もなか。こんな夜に何してるんだ?」さとるはもなに聞いた。


「塾の帰りだよ。さとるこそバイト?」もながそう言うとさとるは答えた。


「そうだよ。でもこんな夜だから気をつけなよ。」さとるは心配でもなに言った。


 いつも通りエレベーターで別れてさとるは別れ際に言った。


「今度小説買いに行くの手伝ってよ。」そういってさとるはエレベーターをでた。


「いいよ。付き合う。」もなもそう言って別れた。


 次の週の日曜日。


 付き合ってから初めてのデートに行くことになった。



 もちろん目的は小説だ。


 近所の本屋は小さいので、電車で1時間くらいの街まで向かった。


 そして、もなはさとるにおすすめの小説を探している時、たまたま楓に会った。


「楓ちゃんだ。こんな所で1人で何してるの?」もながいうと楓は答えた。


「あ、もなちゃんだ。もなちゃんこそ何してるの。」お互いが聞き合った。


「私はわからないことがあったから参考書見に来たんだよ。」楓が先に言った。


「そうなんだ。私はさとるが小説読みたいからって一緒に探しに来てるんだ」もなは嬉しそうに言った。


 するとさとるがやって来た。

「偶然だな。」さとるが楓に言った。


「もしかしておじゃまだった?」楓は気を使って言ってきた。


「まあ楓ならいいよ。」さとるが楓にそう言うと、もなが少し拗ねて言ってきた。


「楓ちゃんならいいんだ。ふーん。彼女してたもんね。」


「いや、あれは勝手にこいつが。」さとるはもなに言った。


「知らない。私あっちで本探してくる。」そう言って本屋の端っこのほうの棚まで行った。


 楓とさとるは二人になって本屋に常駐してあるコーヒー店でコーヒーを飲みながら話していた。


「そうなんだ。お兄ちゃんもやっと自分で告白したんだね。じゃあもなちゃんはお兄ちゃんの彼女なの?」さとるに楓が聞いた。


「そうだとは思うんだけど、ちゃんと返事もらってないんだよね。」さとるは楓に言った。


「呆れた。ちゃんと返事しないもなちゃんもだし、お兄ちゃんもだよ。私は自分で告白したよ。ちゃんと返事もお願いしますって言われたし。まあ正式には、高校受かってからだけど。一緒の高校行くんだ。」楓がそう言うと、さとるはびっくりし楓に言った。



「マジかお前。相手は誰だ。変な奴だったら俺がぶん殴ってやる。」

「大丈夫だよ。隣の家の幼馴染だし、勉強できるんだけど運動音痴で小さい時から遊んでるんだけど、私の後ろを追いかけてたくらい優しい子だよ。」楓がそう言うとさとるは安心した。


「そうか。でもそれ昔俺たちを追いかけてた時のお前みたいだな。似た者同士じゃん。」楓にさとるがそういうと楓はさとるに言った。


「確かにそうかも。」楓は少し落ち着いた表情で言った。


 楓は先に帰った。本屋で楓と別れてからさとるは、もなを探していた。


「お、いたいた。」さとるがそう言うともなが拗ねながら言ってきた。


「彼女との本屋デートはどうだった?楽しそうに話してたね。」もなからそう言われるとさとるが言い返した。


「だから。彼女じゃないって従妹だよ。ごめんごめん。」


 よっぽど楓だったらいいよ。が嫌だったらしい。

 せっかくの初デートだから2人になりたかったんだろうなと後から思った。

 あーいう場合は今度から俺達は別の要件があるからと言ってすぐ別れようと思うさとるだった。

 ちょっと楓と喋りすぎたかなと反省もしていた。


 喧嘩していたが、謝ってすぐ仲直りした。おすすめの小説も買った。


 マンションのエレベーターで別れるとき、もなにさとるは言われた。


「今日は許すけど、今度違う女の子にあんなこと言ったら怒るからね。」


 それを聞いてさとるは反省するのだった。

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