14話 武器が欲しい
「さてさて、お楽しみの報酬タイムは?」
鱗、鱗、羽、鱗、羽、鱗、羽、肉、羽......etc
いや、エトセトラじゃねぇな。羽と鱗、肉しか出てないわ。これはあれか?頭を粉砕して倒したから素材すら取れないくらい破損してしまったってこと?
ん?これは?
DEF+100
ATK+250
固有スキル ウォータープレス
たとえ翼が生えていようがいまいが夢見る蛇はただの蛇。蛇であることから抜け出すことのできなかった執念が武器となり拳に巻き付いている。ただの蛇は夢を見る。
これは、レアドロップか。
「さて、あとはステータスチェックだな。レベル上がってたしHPが1で残るなんてことスキルや称号もなしにあるわけないし、、、どうなってるかな?」
お、8レベ分も上がったのか。まぁ、推奨レベルより低い状態でソロでやってるんだからそらそうだよな。スキルレベルも軒並み上がったし新しいスキルも増えてるな。あとは、称号だが……これだな、HPが1残った原因は。
十死に一生を得し者
1日に1度HPが満タンの時攻撃を食らうとHPが1残る
死亡することが確定した状態で生を得た幸運な者。生への渇望は死すらも跳ね除ける。
キタコレ、あって困ることない人権称号ゲット。正直そうそう発動することはないと思うけど、ボスとかユニーク相手なら1度初見の攻撃をいなせると考えたらただのぶっ壊れ性能だな。まぁ、イベントじゃ使わないかな。そうそうPvPで一撃死なんてなあるわけないし。フラグじゃないよ?
「ふぅ、疲れたしとりあえず街戻るか」
さてさて、素材売ったらいくらになるかな?
「はい、15万ルーンよぉ」
「あー結構な金になったな。正直もっと安いと思ってたけど」
「牙と目は今ものすごく安くなってるわねぇ。武器用の牙や錬金術用の目はあまり数を使わないからもう市場にあふれちゃってるけど、鱗と羽は防具でたくさん使うし、ドロップもそう多くはないからいまだに高騰してるわぁ。肉は住民が高く買い取ってくれるから全部合わせたらこれくらいにはなるわよん。それに私の知り合いの調理人が買ってくれるはずだからちょっと色を付けたわぁ」
「なるほどな、じゃあ結果オーライか」
「そうねぇ、それにしても鱗と羽ばっかなんていったいどんな倒し方したのよぉ?気になるわぁ」
「いやまぁ、逃げ回りつつちょくちょく反撃して最後に頭つぶしましたね」
「つぶしましたって……だからこんな素材が偏ってるのね?」
「あーやっぱり、倒し方によって偏り出るんですね」
「えぇ、炎系の魔法なんかで倒すと羽やうろこが出なくなるみたいね。あと、しっぽ切断や鱗をはがしたりするとその部位に応じて素材が追加ででるみたいよぉ」
ふむ、ということはこれからはそこらへんも考えつつ倒していった方がいいな。流石にバカでか蛇の尻尾切断はできそうにないけどね。
「ありがとうございました、またなんかあったら持ってきますね」
「えぇ、待ってるわよぉ」
さて、お金も想像以上に入ったし武器買いに行くか。買うからにはいいモノを買いたいがお金もそんなない...とりあえず、色々なスキル発動できるようにしたいし。ま、ギルド上の鍛冶屋カジリアンに行ってアンネさんに相談してみるか。
「というわけで今すぐにでも安い武器でいいんで欲しいんですけど」
「あるにはある、訓練用のだけどね。あんたにゃ物足りないと思うよ?」
「それでも、スキルが発動できればいいんですが……」
「多分だけど、すぐに買い替えることになるから金の無駄だよ。それにレベルの上がったあんたのスキルを使えばあっという間に壊れてしまうさ。ここにあるのは所詮初心者用。ほかの鍛冶屋ならあんたが素材提供すりゃあ高い品質のものを安く作ってもらえるんだが、うちは生活用の製品がメインだからね。メンテナンス程度ならできるが一から作るのは無理だよ、他の店に行って探すか、地道に金稼ぐんだね」
「そうですか……武器を消耗品のごとく使い潰すの前提で買うのも申し訳ないし、もっと稼がないとダメか」
「もしあんたが時間に余裕があるなら紹介してやるんだがねぇ。第2の町その近くにある渓谷に家を構えているリュビという変わり者がいるんだが、そいつならいい武器を作ってくれる。でも、ここからだと遠いしねぇ、
「あー第2の町ならすぐいけますけど...」
「なんと、そりゃあ驚いたね」
まぁ、特殊ルートでの解放だけどな。
「だが、それならよかった。今時間あるだろう?ついてきな」
え、今すぐ?もう行くの?明日とかじゃなくて?すごい行動力だな。
この後はお使いクエストの最後、
「ダルマン!ちょっと出かけて来るから店は頼んだよ!」
「え、ちょ、まってくれ、俺もやることが……」
「どうせデスクワークがたまってるんだろう?たまには店番やんながら消化しとき!」
うん、部屋の奥から聞こえてくる会話を聞く限り大丈夫そうだ。ダルマンさんの仕事とストレスは大丈夫じゃなさそうだったが。
「何ボサっとしとるんだい、ほら行くよ」
「えっと、大丈夫なんですか?」
「大丈夫さね、どうせ仕事に飽きてそのうち筋トレし始めるんだ。だったら、店番しながら筋トレしてた方がバカの有効な使い方っていうもんだよ」
なるほど、脳筋だ。まぁ、デスクワークに飽きるのもわかるけど仕事貯めちゃうのはよくない。そりゃあ、バカといわれてもしょうがないな。
「それにしてもあんた凄いね。最初来たとき夫ダルマンはすぐにあんたを受け入れていた……それがあの人のいいところだが悪い所でもある。あたしはダルマンと違ってあの時まだ猜疑心を持っていたんだがまさかここまで成長が早いとはね。いくら旅人の成長が早いといってもあんたの成長速度は断トツ、女神の加護だけじゃなくて才能がすごい。まだそこまで加護のレベルが高いわけじゃないのにそれ以上の敵との経験を積んでいるなんて普通じゃないよ」
「まぁ早い方だと思いますけどもっと才能ある奴なんて大勢いますよ」
「ま、あたしがあんたを見込んでいることがわかればいいさね。全くどんな経験を積んできたんだか」
「あれ?ダルマンさんとかマスターに聞いてないんですか?なんか伝わってるもんかと思ってました」
「まぁ、夫もマスターもそこらへんはしっかりしてるからね。細かい情報でも仕事に関するものはきっちりしてるのさ」
「なるほど。まぁ、色々なことがあったんですけど……」
これまであったことをかいつまんで説明していく。
「あんたなかなか濃い日々を過ごしてるね、そりゃあ武器も今のままじゃ足りなくなるよ。どれ、今の話これから合うやつにも話すといい」
「えっと、これはどこに向かっているので?この道の先ってもう外ですよね?」
転移門を抜け第2の町ツァーリにたどり着き大通りをそのまままっすぐ進んできたがこの先はもう詰め所しかない。つまりフィールドだ。
「お、察しがいいじゃないか。そうだよ、件の鍛冶師は
「あぁ、そうだ。モンスターが来たらあたしのこと守ってくれよ?」
「え、アンネさんも戦えるもんだと思ってたんですけど?!」
「馬鹿言うんじゃないよ、あたしだってもう結構な歳なんだ。言わせるんじゃないよ」
うーん、それは間違いない気もするけど、この人が歳くらいで戦えなくなるか?普段こそ、普通に過ごしているんだろうが、なんだろう……隙が無いんだよな。今、剣で切りかかってもすぐさま対応される未来が見える。
「ま、これはあたしからの試練だと思いな。最近はあんたが戦っているところ見てないからねどれくらい成長したのか
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