執筆の壁となったのは根底の願い
小説を投稿するにあたって、私は事前に3万字書き切ることを目標としている。3万字未満で筆が止まったのならばその作品は投稿しない。
もちろんコンテストの募集要項によって臨機応変に変えるが一種の目安として自分の中で自然と決まったルールだった。
元々プロットを考えたり、アイディアを出すことは苦ではなかったため楽しかった。
しかしあるとき気づいたのだ。
私の物語に登場する主人公の想いや設定、世界観はどこか繋がっているように思えてしまうほど似ていた。
革命を起こす話
逃げ出す話
命を落とす話
自由に自分の欲望のために堂々と世界を創る彼ら、彼女らをどれだけ羨ましく思ったことか。
どれだけ歳を重ねても自分の願いは変わっていないことを嫌でも理解した。
しばらくの間、羨望に呑まれてしまい全く小説を書くことができなかった。
しかし私は今、再び世界を創っている。
それは現実が辛いから。
「書籍化したい」
お金のためではなかった。
たとえ偶像でも、パラレルワールドでもいいから、どこかの世界線の私に幸せになってほしい。
現実を生きる私が死んでも世に作品が残る。
幸せな私がどこかで生き続ける。
そう思うと勝手に筆は進んでくれた。
『死』とは心臓が止まるだけではない。
私にとっての『死』は「死にたい」と思った時、その果てとして「もういいや」と完全に生を諦めた時に訪れるものであると考えている。
だから私は何度も死んでいる。
数え切れないぐらい何度も。
それでも筆をとり続けるのはきっとどこかに希望を見出そうとしているからだろう。
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