物語に囚われる


幼い頃から私は絵本が好きだった。

小学校に上がれば小説を読むようになった。

小学校4年生には振り仮名が振られていない小説も読めるようになっていた。


今まで好きで読んでいたはずの本は中学校に上がる頃には現実から逃れるための手段へと変化していた。


愛されたい

逃げ出したい

もっと自由に生きたい


そんな気持ちはいつの日か本を読むだけでは消化しきれなくなっていた。


そして今ではプロットすら手元にないが、とある物語をその時初めて創った。



電車で冬の海を訪れた大学生が自殺をする話。

無人駅に着いた大学生は海が見える旅館に行き、ひたすらのんびり過ごす。そして最後はゆっくりと死ぬ。



そんな物語に当時の私は『とある少女がようやく幸せになる話』というタイトルをつけた。


死にたがる大学生を『少女』と称し、

待ちに待ったかのように『ようやく』なんて付け、

死ぬことを『幸せ』と書いた。


今でもその価値観が間違っているとは思っていないが、中学生の女の子が魔法も何も存在しないただの自殺記を『幸福』として捉えていたことに今更気づいた。



これはいつかカクヨムで作品にしたいと考えている。

読者の皆様のための作品ではなく、過去の自分が描いた夢を物語の世界だけでも叶えてあげたいという自己満足の作品になると思うがそれでも構わない。


あの時の自分が描いた物語とは違う点も多いと思うが、プロットが手元にないのだから仕方ないだろう。

今復元できるだけでも完成させたい。

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