「遊びに行くって言うけど、どこ行く？　やっぱりラーメン？」

「香澄ってラーメン好きなんだ」

　確かに、言われてみたらよく食べそうではある。しかし隼人はアホなのでその発想には思い至らない。

「私の九割はラーメンからできてるし」

「絶対嘘だ。全然ラーメン食べてないじゃん」

「高いから……」

　今ではラーメンも気軽に食べられない。ラーメン代があれば、三食か四食は食べられる。誇張じゃなく。

　そして、学生一人暮らし勢の隼人と香澄にとって、それは大きすぎる支出で、一人暮らししていた時には絶対に払えない金額。

「でも、同棲始めてからは多少家計に余裕ができたから、食べに行けるよね」

「そうだな。俺も久しぶりにラーメン食べたいし、今日くらいは外出するか」

　特別な日でもないけど、今日はラーメン記念日。

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