美味しい

「ラーメンめっちゃ美味しかったな」

「相坂くんはぶっ倒れてるけど……」


 香澄の言葉に岳の方を見ると、彼は完全にダウンして休憩所の椅子に腰かけていた。


 その様子はまるでコーヒーカップでダウンした時の隼人のようだ。


「まったく、食べられない辛さのもの頼まないでよね」

「どのくらい辛いかなんてメニュー見ただけじゃわかんないじゃん……」


 同じものを食べたはずの日向は平然と岳に説教する。


 この差はいったいなんなんだろうと思ったが、二人の今の立場を見比べれば差は歴然だった。

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