K.Y.

「それ、わかってて訊いてる?」


 岳は、真剣な空気間の中、呆気にとられたような顔で隼人に尋ねた。


 隼人はというと、なにが起こっているのかわからない様子できょとんと佇んでいる。


「なにが?」


 岳は隼人がなにもわかっていないことを察した。


「まあいいや。隼人はなにもわからなくていいよ。とりあえず、どうやってそんなに香澄と仲良くなったかだけ教えてくれ」

「なんでだよ嫌だよ。俺だけなにも知らないの悲しいし」

「こいつ面倒くせえ」


 言葉の暴力が隼人にクリティカルヒットし、これが岳じゃなくて香澄だったら褒めてくれるのにと思った。そして過去の記憶を掘り起こすと、記憶の中の香澄もまあまあ厳しかった。


「もういいよ、休み時間終わるし解散しよう」

「ひどい……」

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