仲良くなれたじゃん

「隼人くん、結構二人と仲良くなれたじゃん」

「そうだな。香澄のおかげだ」

「えへへ」


 隼人の言葉を受けてか、香澄は照れくさそうに笑う。


 そんな香澄が銅見ても可愛くて、隼人は胸の高鳴りを覚える。


「じゃあ、私たちも帰ろっか」


 そんな可愛い香澄が帰る場所と、自分が帰る場所が同じだということに隼人は底知れぬ幸せを感じる。


 ふとしたことで幸せを感じられるのだから、人間とはなんて素晴らしい生物なのだろう。


「隼人くん、どうかした?」


 香澄が隼人の顔を覗き込む。


 近距離で目が合って、隼人はまじまじと香澄の顔を見つめる。


 初対面の時に感じた可愛らしさは、香澄の色々な面を見てきて、より強くなっているみたいだ。


「そんなにじろじろ見られたら、さすがに恥ずかしいよ」


 突然意識の外から聞き心地のいい声が聞こえてきて、隼人の体はびくりと跳ねた。


「ごめん、香澄」

「いいよ、嫌なわけじゃないし。ちょっと恥ずかしいだけだから」


 香澄の顔がほんのり赤く染まっている。


 香澄のその表情が、雲一つない青空によく映える。

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