隼人がキッチンで洗い物をしていると、香澄の部屋から咳の音が聞こえる。


 隼人は香澄が心配になり、香澄の部屋へ急いだ。


「住友さん、大丈夫?」


 香澄は身体を折り曲げて何度か連続で咳をし、その後顔を上げる。


「たぶん大丈夫じゃない……」

「わかった、うちに咳止めの薬があるから、持ってくるね」


 香澄からの返事は返ってこず、ただ苦しそうな咳だけが返ってくる。


 隼人は、香澄の命に関わるのかもしれないと思い、少し焦った。

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