第7話 引きが強いのか弱いのか何なのか その3
ある日、
「まさかこの中に茶封筒なんてものを偶然持ってる人居ないよね?」
と休憩室に同僚が飛び込んできた。
個人的な文書を送るため、職場のを拝借というわけにはいかない!と思ったらしい。
たまたま前日100円ショップで購入した封筒を未開封のまま鞄に入れていたのを思い出し
「あるよ!待ってて!」
と休憩室を後にした。
「さすが幸来(サラ)様」
という、わざとらしい呼び声が聞こえて思わず笑う。
封を開けて念のため何枚か掴み休憩室に戻った。
「まだ70枚くらいあるからこれ持ってっていいよ」
「ありがとう♪」
と去ろうとしていた同僚の足が止まる。
「幸来、あんた封筒も手作りしてんの?」
「いや、それ昨日の買いたてホヤホヤだからちゃんと使えるよ」
「どこで買ったの?」
「なんで?」
目の前に出された先ほど渡したばかりの封筒を見ると、郵便番号欄が半分消えか買ってるものが混ざっていた。
「え...いや、ちゃんと既製品よ!」
この流れは...
と思った瞬間、いつもの爆笑タイムだ。
「こんなの初めてみた!グッ...なんでっ...こんなことっ...ムリ~!!!」
「グフッ...あなた食べ物だけじゃないわけね...ククッ...」
食べ物だけな訳がない。
新品のボールペンを使おうと思ったらいきなりバネがバイ~ンとなって壊れたこともあるし、
普段コンタクトだが、たまたまメガネで出勤した日、駐車場に着いたとたん片方のレンズが突然落ちて捜索に時間がかかり遅刻したこともある。
(もちろん遅刻の電話をして、電話越しに爆笑されたのだが...これをウソだと思われず当然のように信用される人も良いのか悪いのか)
思い出したらキリがないが、当の本人が一番爆笑してしまうのだから致し方ない。。。
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