卑下

エコシス

第1話

 僕は何も考えずに今まで生きてきた。少なくとも君達よりは何も考えてない。これは自慢じゃなく自虐だ。人は調子がいい時ほど自虐するとか誰かが言ってたな。そんな事はさておき俺の生い立ちから話す。俺の母親は18歳で俺の事を出産してそのまま乳児院へ預けてしまい俺は母親の顔など知らずに育ったが今じゃなんとも思ってないさ。そして俺は知らない40歳の夫婦に引き渡され暮らしていく。こんな生い立ち人に話せたもんじゃないが4歳まではこんな事実知らずに楽しく暮らせていた。5歳からは優しかった祖父が俺の事を殴り出し俺は恐怖するようになった。殴られながらも俺は5歳、祖父のことを理解するには足らない年齢だった。〖躾〗という言葉が俺の胸を刺す。「殴るのは躾であり親が子供に与える愛情」そう俺は教えられた。こんな生活が続くうちに小学生になった。祖父はまだ俺を殴るがそんなこと気にしないくらいに嬉しい出来事があった。初めて「友達」が出来たのだ。

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